story

□未完成な私
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「んなこたー後でやって、先にこれ見てください!」



リーバーは手に持っていた書類を荒々しく突き出した。


コムイはその書類を受け取り、斜め読み程度に読んでみた。


それだけなのに、コムイの表情は段々険しくなっていった。



「…リーバーくん、これって…」


「そうです。これは最近のアクマの異常群衆についての詳細です」



ヨーロッパ周辺ではあまり見かけなくなったアクマ達。


それはある場所を拠点に群れを作り、アクマの数が薄くなっていたからだった。



「アクマについてなんですが、ここ数ヶ月前から集まり出したようです」



日付事に記されている書類をめくりながらリーバーは顔を歪める。

コムイももう一度丁寧にその書類に目を通し、愕然とした。



「このアクマの群がりは…」


「…はい。玲子がいなくなった次の日からです…」



玲子が消えた後に群がり始めたアクマ。


ギリシャを拠点に群れを作っていたらしい。


何かいわくありげな雰囲気がそこにはあった。



「…室長、これどう思います?」


リーバーは自分はこの事実をどうしたら良いか分からず、コムイに考えを求めた。


コムイは書類を握り締め、リーバーを見た。



「…リーバー君」


「はい」



恐らく、今のコムイとリーバーは同じ考えが浮かんでいるだろう。


お互い強い眼差しでこう言った。



「「この場所に、玲子がいるかもしれない」」




可能性は、高い。











「ちっ!何なんだここは!!」



既にギリシャに到着していた神田は、そこでアクマの聞き込みを開始した。


そこで得た情報は、ある神殿に黒い球体が現れるという事だった。


黒い球体は空高く浮かんでいて、動くという事から神田はそれがアクマだと断定した。


そして実際その神殿に行ってみると、確かにアクマの気配はした。


しかも複数いるのが分かる。


神殿につくなり神田はアクマからの攻撃に襲われていたのだ。




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