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□空を眺めて、何を思う
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誰もが予想しなかっただろう。


数ヵ月前、玲子の消息が突然途絶えた。


すぐに捜索しに街へと出たが、玲子の姿を見つけることは出来なかった。


ただ一つだけ見つけられたのは玲子が所持していたと思われるクナイが一つ。


アクマが出現したであろう裏路地から発見された。


それを持ち帰ったラビは、神田、コムイ、リナリーに見せ手渡した。


受け取ったコムイは震える手でクナイをを握り締め、ラビに礼を言った。


神田は手が白くなるまで拳を握り締め歯軋りをした。


平常心を保とうとするラビも、僅かに手が震えていた。



「…う、そ……」



リナリーはひたすら首を横に振り、後退りをして、現実を理解しようとしなかった。



「…嘘よ!そんなっ…!?」


「リナリー…」


「いやっ…、嫌よ!何で…何で玲子なの!?」


「リナリー」


「お願い兄さん!嘘と…嘘だと言って…!お願いっ……!!」



教団の中で明らかに取り乱したのはリナリーだった。


それはそうだろう。


なんせリナリーは玲子が入団した当初からずっと気にかけていたのだから。


玲子は確かに現れ方は不自然だった。


だが、近付いてみれば怪しくもなんともない、普通の優しい人だった。


玲子に疑問を抱いていたコムイに必死に玲子は仲間だと証明していたリナリー。


やっと、兄からも信じ仲間として扱ってもらえると思っていた暁が、これだ。


リナリーは力無く床に膝を着いた。



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