story
□月日始まる刻 前編
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汽車を降りた玲子は、怪しいと思われる教会を見て回った。二つの教会は今の所、怪しい所はどの教会にも見当たらなかった。
それから、三つ目の教会へ行くべきか行かざるべきか、玲子は物凄く迷った。
取り敢えず今日は早めに宿を取って、明日に備えよう。その後にあの教会に行けばいい。そう思った玲子は顔を上げ前を向いた。
「…玲子?」
玲子は目を見開いた。
こんな所で、こんな格好で、今会いたくない人物と玲子は出会ってしまった。
『カーフェイ…』
玲子の心音は嫌な予感で速まるばかりだった。
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「…此処がエクソシストの本部か」
高い崖をよじ登り、やっとこさついた悪の総本部。辺りは薄暗く気持ち悪い。
第一印象は、最悪。
「さっさと行くぞ、馬鹿弟子」
馬鹿弟子と呼ばれたのは赤毛の少年。赤毛少年はむっ、としながら馬鹿弟子と呼んだ老人を見る。
「…うっせ、アホパンダ…」
「聞こえとるわ」
うげっ、と顔をしかめる赤毛少年。
〈はじめまして、ようこそ黒の教団へ。私達は貴方方を歓迎します。ブックマン、それからラビくん〉
近くを飛ぶゴーレムから話しているのはここの室長、コムイ・リー。この二人が適合者だという報告を聞き、引き入れたのだ。
〈報告は受けてるよ。そこの門番の検査を受けてくれるかい?〉
ラビとブックマンは無事に門番の検査を終え、教団内へと入って行った。門の向こう側待っていたのはツインテールの女の子。
「はじめまして、私はコムイ室長助手のリナリー・リー」
「私には名が無い。ブックマンと呼んでくれ」
「俺はラビ。よろしくさぁ」
「分かったわブックマン、ラビ。よろしくね。中を案内するからついてきて?」
二人はリナリーに案内され、科学班、室長室へと行く。
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