story

□初任務
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割り当てられたファインダーの部屋の窓から朝日が差し込んでくる。部屋の主はその朝日と共に目が覚めた。

とはいってもまだ薄暗い感じではあった。何時もより早い目覚めだった。



『ん〜!…何時もだったら寝てるんだけどなぁ』


玲子は伸びをしながら、まだ少し眠たい目を擦る。まだ暗い外を窓から眺め、玲子は起きようか二度寝をしようか考えた。二度寝するにはなんだか目が覚め過ぎている。


『…なんかもう寝れない気がするし、起きようかな』


そういうと玲子はベッドから腰を上げ、昨日ファインダー服とは別にリナリーから貰った教団配給の黒い服を手に取った。

上の服はハイネックの長袖。下の服は股下15センチ位のショートパンツ。

上から順に着替えパンツのベルトを締めて部屋を出た。

行き先はさっき窓から眺めていた深い森。あそこは朝日が当たって幻想的な光景だったので行ってみたいと思ったのが理由。

あとは少しの期待。

その期待とは


『あそこで神田は修業(?)してるんだよね。今行ったらいるかな?』


そう、神田は森で修業している。そるは恐らくあの森。神田がいるかな、という期待を玲子は抱いていた。



『(いた!)』


神田はまだ玲子に気付いていない。玲子は神田を発見すると、何やら考えた後ニヤリと怪しい笑みを浮かべた。

右足にはクナイの入ったホルダーがある。何かとクナイに慣れてきた玲子は、リナリーに頼んで本物のクナイを用意して貰ったのだ。

玲子はそのホルダーの留め金を外してクナイを取り出し、神田に向かって投げた。


「…!!?」


ガキィン!!

神田は咄嗟に六幻を振り払い、そしてクナイを弾いた。


『ヒュ〜流石。よく気付いたね』

「…てめぇ、殺す気だったな」


口笛を吹いて玲子は弾かれたクナイを見た。


『ん?殺す気なんて無いよ。ただ気付くかなと思って』

「気付かなかったらどうすんだ!」

『神田はそんなヘマしないでしょ?』


玲子はなんの悪びれもなく神田に笑いかけた。神田は少し視線を外し、「当たり前だ」といった。


『ね、一人だと特訓にならないでしょ?一緒にやらない?』

「誰がてめぇなんかとやるかよ」

『良いじゃん。あたしクナイ上手くなりたいし、早く戦いに慣れたいの』

「一人でやれよ」

『一人じゃ意味無いじゃん!それに強い人とじゃないと意味が無いだから!』


神田はその言葉にピクリと反応した。



「…クナイだけか?」


玲子は神田の言葉の意味を解釈し、即座に言葉を繋げた。





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