story
□初任務
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「コムイ、任務は何だ」
『リーバー班長、あたしの任務は何?』
科学班に来て早々、任務は何だと聞く二人。苦笑しながらコムイとリーバーは任務の説明に取り掛かった。
「神田くん、君にはフランスに行ってもらうよ」
神田はソファーに腰掛け、玲子は立ちながらリーバーの話を待つ。
「フランス?」
「うん」
「分かった」
コムイと神田は慣れた風に話を進めて行く。一方玲子は初任務だということで少々緊張気味にリーバーの話を聞く。
「玲子にもフランスに行ってもらう」
『フランス?神田と一緒に任務するんですか?』
「いや、神田とは別の任務だ。玲子にはキツイかも知れないが…」
『キツイなんて、任務なんだからそんな事言ってられないでしょう?』
「…そっか、そうだな。けどな、いきなりだぞ」
『?何が?』
「五ヶ月の長期任務」
…それは、確かに新人にはキツイかもしれない。そしてかなりハードだ。
いきなり五ヶ月の長期任務って、新人ファインダーにはキツイ。
『…初っ端から弱音吐くようで悪いんですけど、かなりキツイですね』
「…あぁ、ちょっとな。流石に五ヶ月はキツイだろう?」
『まあ、でも頑張ります。文句なんて言えません』
「そっか…、じゃあ頼む」
『それで、その任務では何をするんですか?』
玲子はその任務を承諾し、これからの任務に気を引き締めた。ただ、リーバーは浮かない顔をしてコムイを見ていた。
一通り任務の説明を聞き、神田はソファーから腰を上げた。続いて玲子もリーバーからの説明が終わって二歩下がる。
「それじゃあ二人とも、任務頑張ってね」
「あぁ」
『はい!』
神田は慣れたように適当な返事を、初任務の玲子は意気込んで返事をした。
コムイは神田と玲子の二人が科学班から出ていくのを確かめ、軽く溜息をついた。
「…室長、いきなり長期任務はやり過ぎじゃないですか」
リーバーは納得いかない顔をしてコムイを見た。
「何言ってるのリーバー君。新人だろうが何だろうが、教団に入団したらそんな事は言ってられないよ」
「そうですけど…」
「彼女にはまだファインダーとして動いてもらう訳にはいかないんだよ」
「それはどういう意味ですか?」
コムイは目を閉じて、額に手を当てる。
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