story

□喧嘩の後の仲直り
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「いいの、私のミスだわ。ゴーレムのスイッチが入ってたなんて思わなかったもの」


リナリーは気まずそうに話を止めた。


「兄さん、全部聞いてたんでしょ?」

〔あ、うん。大体はね…〕

「なら、今私の言いたい事分かる?」

〔……〕


コムイは少しの間黙り込みしばらくして口を開く。


〔分かってる。あの子、玲子ちゃんの事だろう?〕


リナリーはゆっくりと呼吸をし、自分が言いたいことを整理してコムイに言った。


「…玲子は凄いわ…。まだ此処に来て間もないのに、兄さんの事理解しようと努力してる」


さっきの発言は玲子がそうしたから出て来た言葉なのだろう。


「玲子は兄さんの立場上仕方ないって。だから…」

〔あの子は僕個人として見て、信頼するって言ってたね〕


そう、位置など関係なく"コムイ"個人として見ると玲子は言った。周りからシャットアウトされても自分が信頼すればいいだけだから、と言っていた。


「だからね兄さん。私やファインダーの人達くらいは玲子の事、信用、ううん、信頼しても良いと思うんだ…」

〔…僕は、見守る事しか出来ない…。だから、僕の変わりにリナリーが玲子ちゃんの事守ってくれるかい?〕

「兄さん…」

〔頼んだよ?〕

「うん…!!」





所変わって、談話室。
玲子は大分ファインダーの人達に慣れて来たのか、段々笑顔が戻って来た。


「それでその時のアクマは…」

『えぇーっ!?』

「オレは瀕死状態で…」

『だっ大丈夫だったんですか!?』
「そん時コイツは〜…」

『あははははっ!!』


というか、馴染みすぎていた。ただ、ファインダーの男性陣は玲子の笑顔をが見れてホッとした。少しは打ち解けてくれた、と。そして掃きだめに鶴ってこういう事なんだなぁ、と各々が思っていた。
玲子はファインダーの人達に好印象を与えていた。


『はぁ〜、面白かった』

「だろ?任務はキツイがその分面白いこともあるんだぜ」

「だからお互い頑張ろうな!」


そう言って励ましの声を掛けてくれたのは、ファインダーのジンとアーサーだった。

ジンはファインダーになって15年というかなりの経験者で、短い金髪の30代。優しい印象のおじさん否、先輩だ。
そしてアーサーは入団して今年で3年目らしく、歳は20歳。茶色掛かった赤毛といった感じだろうか。

二人とも年上のわりにはでしゃばらなくて人懐っこい。かえってその方が話しやすく、居心地が良かった。


『それにしても此処居心地良いですね』

「だったら毎日来いよ。俺達が歓迎するぜ?」

『本当ですか?ありがとうございます!!』

「あっ!?ジンずりい!!自分ばっか好印象植え付けんな!」

『あははっ、アーサーさんも十分印象良いですよ』

「本当か!?」

『はい!』


ほのぼのとした良い雰囲気が流れる。

しかしこの良い空気をぶち壊してくれた人が一人。


「うるせぇな、お互い励まし合って傷の舐め合いかよ」

そう言葉を放ったのは冷徹人間こと神田。彼は何故かこう人に突っ掛かってくる。何故かというか、玲子に突っ掛かってくる。
前の一件があるからなのだろうけど…。




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