story

□黒い世界へ
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視界はぐにゃりと歪み、光は闇へと変わっていく。



また覚えのある感覚が脳へと戻ってきた。玲子は今“時空”を越えている。今度はうっすらと意識を保っていた。

それは少しの男への反抗心であったりもする。


『(何…したいんだ…ア、イツ…)』


玲子はくらくらする頭を抱えながら、意識を保ち移動している。


『(気持ち悪い…は、吐きそう)』


げっそりとしながら無意識に口元に手を当てる。自分の反抗心で意識を持っていたことに後悔した。今度から移動している時はちゃんと意識を失っておこうと、誓うの玲子であった。








『(今度は何処に連れてくつもりなの…)』



目が霞んできた。
これから行くところはどんな所?


― さっきまでいた世界と同じだ ―


同じ…?

― そうだ。場所が違うだけだ ―

あぁ、そういえば、あたしはあの教会にいたんだ。
エリアーデ達は帰って来たのかな。
皆心配してるかな。
カーフェイは優しいからな…、取り乱してたりして。
マリンはびっくりして放心状態になってるかも。

エリアーデは、探しに行ったりするかな。

『(出来ることならマリン、エリアーデには泣いて欲しく無いな…)』


こんな時にも女の子に弱い玲子。

そんなことを考えながら、微かに目の前に光が差し込んできた時、玲子は気絶してしまった。




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