story

□黒い世界へ
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『(怪しまれたもんだな…)』


まぁ仕方ないか。
神田の六幻はこちらにあるし、余計に警戒心を煽ってしまったようだ。リナリーは攻撃を止める気配も無いし…。玲子はリナリーの早い足技を紙一重に避けていく。


『(動体視力いい方でよかった)』


大きな動作をしないので無駄な体力を使わないですむ。いい方というか、凄い方に入るのではないだろうか…。そして、玲子つくづく自分の能力に驚き、ため息をつく。

もしかして、こんなだからモテるのかな…?

そんな思考を他所に、リナリーはまだ攻撃を止めない。


「(当たらない!どうして!?)」


今の所リナリーは玲子に一発も喰らわせていない。その焦りが身体を緊張させ、動きが少し鈍くさせる。一方玲子はいつまでも止まないリナリーの攻撃が嫌になってきた。


『(女の子に攻撃されるのってなんか悲しいな)』


とっても紳士な玲子ちゃん。強行突破という言葉が頭に過ぎった。


『(いや、それはフェアじゃないし、女の子に対してかなり失礼だし…)』


またまた紳士発言の玲子ちゃん。


『(でも、そうしないと止めてくれそうに無いし…)』


言うべきか、言わざるべきか…。それに卑怯な気もする。そう思って迷ったが、女の子に傷は付けたくないし、今の自分にはそんな事を言っている余裕はない。

ごめんねリナリー。

紳士な玲子ちゃんは意を決して言うことにした。



『…そんなに激しく動き回るとさ、パンツ見えるよ?』

「え……!?」

「「「「「な゛ッ!!??」」」」」


案の定、リナリーは赤面して、さらに動きが鈍くなった。その一面をゴーレム越しに見ていた科学班は驚愕した。リナリーの見えそうで見えないあのミニスカにロマンを抱いている男性は多い。

玲子のその一言を聞いて、男性陣はモニターにかじりつく。勿論それをコムイが阻止したのは言うまでもない。


「ダメ――ッ!!僕のリナリーになんてこと――!!!―――!!!」

「室長!落ち着いてください!!狂いすぎて何言ってるか分かんないっすよ!!?」


ゴーレム越しにコムイの悲鳴、科学班の静止の声が聞こえてきた。



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