story

□黒い世界へ
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〔くっそー!〕


門番は愚痴を零し、ピコピコと不思議な光を放ちながら人物のレントゲン診察を始めた。

ピコピコピコ…


〔(おかしいぞ!写らない?)〕


ピコピコピコピコ…


「随分と時間が掛かるんだね?」

〔あんませかすなよ!?〕

「ど?」


門番の出した答えとは…


[…ッコイツなんか変――ッ!!]

「は?」


門番の甲高い声がが教団内を駆け巡った。科学班も何が起こったのか良く分からず一瞬唖然とする。


[分かんね!コイツ人間か!?]

「アクマって事か!?」

[アクマでもねぇ!人間…っぽくない人間だ―!コイツ恐ぇぇえぇ!!アウトだアウト!!!!]



人間なのかアクマなのか判断に困る解答を門番はしてくれたため、教団内はまたざわめく。





『―…う』


「おい!目を覚ますぞ」



誰かの掛けた声で科学班の視線がモニターに注目する中、その人物は目を覚ました。

目を覚ました人物はなんと表現して良いか分からない程の整った顔だった。見方によっては男性にも女性にも見える。まだ焦点の合っていない瞳は憂いを帯びているように見える。

その人物は辺りをキョロキョロと見渡すと一瞬ビクッとした。どうやら門番に脅えているらしい。その人物がした仕草を見て、科学班一同は以下のように思い、一瞬だけ気持ちが一つになった。


((可愛い――…))


何だか小動物のようだ、と思っていた。


「…ビクビクしてるよあの子」

「なんか可哀相だな」

「門番あんま脅かすなよ」


科学班は一様にコメントしていく。


[いあ!でもよー!!]

「…侵入者には変わり無い」

《侵入者!侵入者!!》


「誰かあの子の所に行って来てくれる?」

「私が行くわ」
「俺が行く」


二人の人影は、門番の前で脅えている人へと向かった。




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