story

□黒い世界へ
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彼等はモニターを見ていた。
モニターチェックをしている彼等が見ている所は、高い高い崖にそびえ立つ、見るからに怪しげな建物の中。傍から見たら悪の総本部のよう。
まるで良い印象を受けない。


「はい、兄さん。コーヒー」

「ん、ありがとうリナリー」

「他にコーヒーいる人ー?」

「「「はーい」」」


外見とは違った印象で、内部は明るい声が広がる。兄さんと呼ばれた男はコムイ・リー。黒髪のクルリと跳ねた毛先にベレー帽、眼鏡を掛けている。この城内科学班の室長である男だ。

それからそのコムイにコーヒーを手渡した人物はコムイの妹、リナリー・リー。この教団内のアイドル的存在。ツインテールにミニスカという格好が良く似合う少女。

そしてモニターにかじりつきながらコーヒーを啜る男が一人。


「室長ー、見張り変わってくださいよー。仕事出来ないじゃないスか」


コムイにモニターチェックの交代を頼んでいる金髪のつんつんと尖った頭の男、リーバー・ウェンハムだ。
仕事熱心な彼は自分の仕事を終わらせたいらしく少しイライラしながら話している。


「リーバー君は仕事し過ぎ。少しは休みなよ!」

「あんたはしなさ過ぎだ!!!」


コムイに向かって怒声をあげるリーバー、だが。


「えー、僕はちゃんと仕事してるよー。やだなーHAHAHAHA」

「ッ!!!」


彼コムイの前では怒る事はその分エネルギーを発する。そう、怒るだけエネルギーの無駄なのだ。コムイの前では笑い飛ばされるだけなのだから。




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