story

□こんにちは、別世界
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玲子は意識を取り戻し、目の前に光が広がる。


『………気持ち悪い』


玲子は今の気分を率直に表現してみた。
目が回るような感覚。頭はくらくらするし、体はフラフラする。ふわふわする足元はエレベーターに乗った時の感覚にも似てる気がする。


『…もう少しソフトに運んでほしいな』


乗り物酔いとは違う酔いが、さらに気分を悪くする。


『あれ…?』


ぐるぐる回る世界から、ふと小さな疑問が浮かんだ。


『体…痛くない?』


…おかしいな。
かなり高いところから落ちて来たはずなのだが。体の何処を見ても怪我をしている所はない。怪我というか、かすり傷さえ一つ無い。


『なんでかよく分かんないけど、まぁよしとしよう』


倒れていた身を起こし、服に着いた土埃をはらうと、やっと落ち着いて回りを見る事が出来た。光が広がるこの世界はいったい…。


『……ここ何処よ』


焦る玲子。


『何処よここ――!?』


玲子の目の前には中世ヨーロッパのような建物が並んでおり、玲子はその町並みの脇道に倒れていた。


『フ…フランス?ここ、フランス?イギリス?なんでヨーロッパ系の所にいるのあたし!?』


玲子は、いきなり自分の目の前に映る光景に混乱していた。


『ていうかあの男、地球上じゃないとか言ってたくせにバリバリ地球上に存在する国じゃん!!嘘ついたな!?』


混乱しつつも、男へのツッコミは欠かさない玲子。



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