王者の日常

□手鏡片手に
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爽やかな春の早朝。穏やかな睡眠を全力で妨害してきた目覚まし時計の頭を恨みを込めて叩いて黙らせた。
ぼやぼやする頭を振って目を覚まさせる。

「…ねっむい」

いつも通りのだるい朝。ベッドから重い身体を引きずり出して支度を整えていく。

「遥華、ご飯できたわよ」
「すぐ行くー」

ドアの外から声をかけてきた母に返事をし、荷物を確認しているとスマホが震えた。

「着信?誰だろ…」

目に入ったのは『天童覚』の文字。珍しい、何の用だろう。

「もしもし」
『…遥華ちゃん、オハヨー』
「何の用?」
『冷たい!』
「切っていい?」
『待ってよ!用事あるから』
「なに?」
『俺、体調崩したから朝練休むねー』
「は?ちょっと、大丈夫なの!?」
『実はさー、昨日アイス食べ過ぎてお腹壊したんだよね!』

危うくスマホを落とすところだった。ほんとにコイツは。程々にしておけと言う再三の忠告を無視して食べるからこんな事になるんだ。心配したのがアホらしくなって電話を切った。

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