START!

□海の目をした人
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日が落ちて月が昇り出す時間。
銀色の光が水面を照らし、SCのプールが幻想的に 静かに揺れている。

いつものように真琴コーチから鍵をかりて来たおれは、ゴーグルをつけながらスタート台に立った。

手をかけ、台をける。
水音を立てて飛び込み、飛沫に包まれる。

ひと掻き、ひと蹴り繰り返していく。
滑らかな水を感じながら目の前を切り開く。

そうするうちに、ゆっくり水と溶け合ってゆくように錯覚した。
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