かにもかくにも撮るぜベイベ
□お近づきの印にコーヒー1杯
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コーヒーを飲み終えて、それぞれ自分たちのコーヒー代を払ってから、獄さんの運転で空厳寺に向かった。
現在の様子をお伝えします。
Bad Ass Templeの3人と一緒に、緑茶とお饅頭を頂いてます。
私を送り届けた後、帰ろうとした獄さんを空却くんが捕まえたので。
「えぇっ!?棗さんナンパされちゃったんすか!?大丈夫だったっすか?」
「困ったけど、獄さんが助けてくれたから事なきを得たよ。法律に詳しいと強みになるよね」
「棗さん可愛い格好してるから、狙われちゃったんすね。でも獄さんが近くにいて良かったっす!ナンパを撃退するなんて流石っす!」
「目の前で知り合いが手首掴まれて絡まれてんのに、素通りするわけにもいかねえだろうが」
「随分と棗に優しいんじゃねえのぉ〜?銭ゲバ弁護士よぉ〜?」
「うるせぇよ腐れ坊主見習い」
戦隊ヒーローを見つめるちっちゃい子みたいな眼差しを、獄さんに向ける十四くん。
ニヤニヤ笑いながら、獄さんを肘で小突く空却くん。
2人の反応を見て、顔をしかめる獄さん。
遠慮なんていらない、家族のような距離感の3人を、私はにこにこしながら眺めていた。
「そうだ!今度、自分たちのバンドでライブをするんすけど、よかったら見に来てほしいっす!」
「あの奇天烈な格好とメイクをしたやつか」
「もー、キテレツじゃなくて、ヴィジュアル系っすよ獄さん!」
「拙僧は修行があるから行かねえ」
「お前はこんなときばっか修行を盾に逃げやがって……」
「拙僧は群れんのが嫌いなんだよ」
「私は日程次第かなぁ。ライブのルールとか分からないペーペーだけど大丈夫?ファンの人に怒られない?」
「大丈夫っすよ!自分のバンドのバンギャさん……ファンの人は、マナーを守ってくれる人が多いし、初心者の人にも優しいんで!それでも心配なら、自分がルールを教えるっす!」
「それはありがたいな。チケットは買った方がいいかな?」
「後でチケット郵送するっすよ。自分が誘ったんで!」
「うーん。それはファンの人に悪いから、チケット代を出させてほしいな」
「じゃあ、ライブで好きな曲を見つけたら、CDを買ってくれるっていうのはどうっすか?ちなみにバンド名は【アルゴξ楽団】っす」
「あるごくしーがくだん。OKメモした!」
この後は、ナゴヤのお勧め観光スポットを聞いたり、最近あったことを話したり、明日4人で名所巡りをする約束をしたりした。
END
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