かにもかくにも撮るぜベイベ

□野良猫、保護しました
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「出来たよー。自分の分は持ってけー」

「おう!美味そう!」

ご飯茶碗と餃子が乗ったお皿、そしてインスタント味噌汁が入ったお椀を2人でテーブルに運ぶ。

「いただきます」と一緒に手を合わせ、テレビを見ながら食卓を囲んだ。
家族以外の人とご飯を食べるのなんて、学生時代の昼休憩以来だわ。

相手は気心の知れた友達じゃなくて、にどめましての素寒貧ギャンブラーくんだけど。

「餃子パリパリで美味え……!久しぶりにあったけえメシ食った……!」

「泣くほど美味しいか……。今までどんな生活してきたかは聞かないでおくよ。いっぱいお食べ」

半泣きでご飯と餃子を頬張る様子が、頬袋にひまわりの種を詰め込むハムスターそのものに見える。

情が移りそうだから、ご飯と寝床をあげるのはこれで最後にしよう。うん、そうしよう。お互いのためだ。

食べてる最中に洗濯が終わったので、一旦立ち上がって帝統の服をピンチハンガー等にかけ、除湿機の電源を入れる。
これで明日には乾くはずだ。


ちなみに夕飯を食べた後、帝統と食器を洗ってお米を研いで、私もお風呂に入って健全に寝た。

帝統は意外と頼めば手伝ってくれるし、自分が寝るための布団も敷いてくれる子だった。

END


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