かにもかくにも撮るぜベイベ
□今は写真だけど
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「こんにちは、独歩くん。今日も何か悩み事かい?……おや。前よりも、雰囲気が少し明るくなったようだね」
「……それ、一二三にも言われました。多分、あの子のおかげだと思います」
「あの子?」
「先生は、前に麻天狼の宣材写真を撮ってくれた女の子、覚えてますか?確か……月見里さん」
「あぁ。あの時の朗らかな彼女だね」
「彼女と少し前に、シンジュクの公園で偶然会って。それから、よく話すようになったんです。海の写真をもらったので、仕事中疲れてどうにかなりそうな時に眺めて心を落ち着かせてます」
「ふむ。独歩くんから見た彼女のことを、詳しく教えてくれるかい?」
「……俺には眩しいくらい明るくて、純粋に優しくて、もっと隣で話してみたいと思えました。まるで天使みたいな感じで……、いや天使か?天使だな……羽は背中のどこかに隠してるんだろうな。天使が目の前に現れたということは、俺はそろそろ死ぬんだろうか……」
「独歩くん。話が逸れているよ。落ち着いて」
「……あ、それと、出来ればなんですけど……。いつか、あの子と先生と一二三と俺の4人で、海に行ってみたいと思いました。俺は仕事で忙しいし、一二三は女性が駄目だから、きっと叶わないですけどね……」
「……確かに、今は難しいだろうね。だけど、私も彼女と話をしてみたいと思ったよ」
END