かにもかくにも撮るぜベイベ
□宣伝って大事
3ページ/4ページ
お次はヨコハマ代表のチームの撮影だ。
「銃兎さんと理鶯さん!左馬刻さんもお久しぶりです!」
「相変わらず元気ですね」
「久しいな、棗」
「おい俺様をオマケ扱いしてんじゃねえぞチビ」
「いはいです、ほっぺつままないでくらはい」
私の頬をつまんで伸ばす左馬刻さんの腕をぺしぺし叩きながら言うと、鼻で笑われた。解せぬ。
あと私が小さいんじゃない、左馬刻さんが大きいだけだ。何なんだ186cmって。10cmくらい分けてください。
神宮寺先生は左馬刻さんより背が高いけど、左馬刻さんより紳士的だったぞ!
まぁでも、彼らとは少し前からの知り合いのため、割とワイワイしながらの撮影になった。
「左馬刻さんすごいですね……。立ってるだけで強さと色気が出てます」
「ハッ、たりめーだろ」
「あ、さっきの不機嫌そうな顔は保ってくださいお願いしまーす」
撮影中に左馬刻さんが自信に溢れたドヤ顔をしていたので、最初の方の機嫌が悪そうな表情に戻してもらった。
「銃兎さんは、眼鏡をこうクイッと上げる感じで。……あ、左側を撮るのが1番良いな。その何か企んでそうな薄い笑みも良きです」
「全部聞こえてますよ」
良いアングルを探した結果、銃兎さんから見て左側を撮る方が、カッコ良く写ることを発見した。
元からエリート風イケメンだけどね。
「理鶯さん、ちょっとドッグタグを口にくわえてもらって良いですか?あ、首から下げたままで」
「承知した」
理鶯さんはどっしり構えた1枚にした。
軍人さんならではのドッグタグが、いいアクセントになってると思う。
ハマの男たちはワルな色気が凄まじいぜ。
「すんなり撮影終わりましたねー。時間余ってますけどどうします?スタジオの小道具付けてみますか?」
「うさみみカチューシャを手にした状態で私を見ないで頂けますか?」
「案外似合うかもしれねえぜ?付けてみろよウサちゃんよォ」
「あ゛?ニヤニヤしてんじゃねえぞ左馬刻。今日はブタ箱に泊まるか?」
「銃兎さん敬語が家出してますよ」
どんな反応が来るか見たくてスタジオにあった物を出してみたら、銃兎さんと左馬刻さんが煽りあってた。
仲が良いのか悪いのか分かんないなぁ。と思いながらバチバチしてる2人を眺めていると、理鶯さんが犬耳カチューシャを私の頭に付けていた。
待って?いつの間にか背後を取られていただと?
「棗によく似合うな」
「そうですよ。ほら兎耳も付けたらどうですか?写真撮ってあげますよ」
「便乗して押し付けようとしないでくださいよ。というか私ワンコっぽいんですかね?」
「キャンキャンうるせぇところがそっくりだな」
「吠えさせてんのはどなたですかー。あなたですよ左馬刻さーん」