小手毬と青い春
□つながる想い
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無事に記録会が終わり、帰り支度や片付けをする。
司や爽香と別れ、ふとハルがいないことに気づいてベンチに行くと、ハルと宗介が話しているのが見えた。
ハル、凛からの手紙、読んだんだな。
ハルの手元を見て気づき、ちょっと微笑む。
やがて宗介が立ち去り、ハルを探しに来た旭たちと合流した。
「ハルー、帰ろー!」
どこか遠くを見ていたハルに真琴が声をかける。
「……ああ!」
それに気づいたハルは手紙を鞄にしまい、階段状のベンチを下りてきた。
5人で、同じ歩調で進んでいく。
「ハル、なんか嬉しそうだな」
「……」
話さなくても、ハルの表情を見れば何となく伝わる。
高く晴れ渡る空を見上げ、私はふと思ったことをつぶやいた。
「なんだか、私たちって水みたいだ」
「……水?」
「どんなふうにだって変われる。決めつけたり、狭めたりしなければ、いろんな形を作れるんだ」
きっと何にでもなれる。いつか、私も。
まだ分からない未来の先をほんの少しだけ想像して。
私は新しい仲間たちを見つめた。
END