かにもかくにも撮るぜベイベ
□控えめに言わなくても破壊力すごい
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馴染みのあるフォトスタジオにて、私はカメラを持ったまま、膝から崩れ落ちていた。
「待っって??」
「棗さん、膝痛くなるっすよ」
「連写の音がすげぇ……」
「待って3人ともめちゃくちゃ素敵なんだけど?しかもこのイケメンレベルで、まだ3ディビジョンの撮影残ってるんでしょ?控えめに言って死ぬかも。あれ今日って私の命日だっけ?墓石にライム刻まれちゃう?」
「死ぬ覚悟しないで生きてください。今度僕たちと、クトゥルフ神話TRPGで遊ぶ約束を反故にするつもりですか」
「しません。生きます」
目の前には、イケブクロ代表のBuster Bros!!!である、山田3兄弟。
3人ともスポーティでストリート系の新しい衣装だけど、いつものイメージカラーを大事にしている。
一郎くんはウィンドブレーカーやスニーカーを赤色にしてアクセントをとり、黒いジャージー素材のパンツや白Tシャツを基調にしてる。
長い銀色のウォレットチェーンで、装飾を付けることも忘れてない。
二郎くんはタイトな黒カットソーに青いシャツを重ね、更にテーパードパンツを履いているから、シルエットが細くて綺麗に見える。
色数のあるスニーカーもインパクトが強い。
三郎くんは上下ビッグサイズだけど、着丈を短くして腰のシルエットを絞ってるから、最年少っぽい流行の捉え方を感じた。
黄色と黒と白が配置されたトレーナーが、ぶかぶかで可愛い〜。
まぁこれ全部、事前にもらったスタイリストさんからの受け売りなんだけどね!
「二郎くんは帽子がトレードマークだよね。スポーツキャップも良いけど、今日みたいな中折ハットもオシャレさんっぽくて好きだなー」
「す……っ!あ、ありがとう、ゴザイマス……」
「あれ照れてる?褒められるの慣れてない?可愛いなあ。撫でさせてー」
「てて照れてねえし可愛くもねえ!っ帽子越しに撫でんな!ください!」
「棗さんはお前の帽子を褒めただけだろ、何真っ赤になってるんだよ低脳。あと歳上に敬語も上手に使えないの?」
「んだとぉ!?表出ろ三郎!」
「あー2人とも喧嘩しないで!三郎くんもすごく可愛いよ〜!」
帽子の縁を下げて赤い顔を隠したつもりになってる二郎くんに、三郎くんがまた挑発的な言葉をかけたので、私は三郎くんの頭もよしよしした。
三郎くんはちょっと拗ねたように頬を赤らめて、大人しく口を閉じた。
「棗さん、俺はどうっすか」
「一郎くんもすごくかっこいいよ!さすが赤色が似合う主人公属性!」
「だよな!兄ちゃんは何着てもカッケーよ!」
「ですよね!棗さん、見る目あります!」
何だか一郎くんがソワソワしてるように見えたので、二郎くんたちと同じように頭を撫でてみたら、照れくさそうに笑ってくれた。
どうやら、この行動で間違いなかったらしい。