戦国無謀

□残酷な中での幸せ。
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播磨国 姫路城。
中国攻めを信長から仰せつかった秀吉軍はここに本陣を置いた。
「いや〜、今回の戦は長くなりそうやなー。兵の集中力が危うくならんうちに攻めとらんといかんのう。」と一軍の大将、秀吉がふと愚痴をこぼす。
それには官兵衛も呆れ、
「秀吉様。一軍の将であるあなたがそのような事をおっしゃるのは筋違いでございます。」と忠告をした。
秀吉は切り返す。
「官兵衛、少しは愚痴をこぼさんとやってられんわ。まあ、やるしかないんじゃがな。」
そんな時秀吉の陣中に思わぬ報せが届く。
伝令が入ってきて官兵衛に耳打ちする。
「っ!」
官兵衛の声色が変わった。
「どうしたんじゃ!官兵衛。
正直に言うてくれ!」
官兵衛が口を開く。
「三木城の別所長治が毛利に寝返ったとの次第でございます。」
それを聞いた秀吉の弟、秀長は思わず、「なんと。何を考えておられるんじゃ、別所殿は!
兄者。このままでは毛利勢と別所で我らは挟み討ちじゃ。
一刻も早く手を打たんと。」と秀吉に伝える。
秀吉軍はその日のうちに三木城攻めへと向かった。

その頃、丹後国では光秀と藤孝が丹後国の有力大名一色氏の当主、
一色義道を討った頃合であった。
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