戦国無謀

□休みませう。
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先日の一件により、天下に文化人としてだけではなく、謀略家としての名も上げた細川藤孝。
そんな彼の元で近習(居候?)として仕えている、みき。
そんな彼らの元にある一人の絵師が訪れていた。

「というわけで、細川様。
どうか引き受けてくれまっか?」
「いやぁ、こういうのは嫌ではないが...。
ほんにやる気かえ?」
「いやいや、細川様だからこそ映えるんでございますよ。」
と藤孝と絵師の会話のキャッチボールが続いた後、しばし沈黙が訪れた。
だが、みきが疑問を口にし、沈黙を破る。
「狩野様。何故、この方の様子を屏風に残そうと思ったんですか。候補なら他にもいるんじゃ...。」
狩野様と言われた男がそれに、
間髪入れずに答える。
「何をおっしゃる!この方は当代きっての文化人であり、特に和歌などは古今伝授を授けられた、
唯一のお方なんですぞ。
しかも、先日の一件で武将としても並の武士ではない事が明らかになったのです。
屏風にするなら、これ程持ってこいなお方はいらっしゃらないのです。」と熱弁されたみきは
改めて、自分の主人が「本当は凄い人なんだ。何がなんだかサッパリだけど。」と肝に銘じた。
だが、藤孝はまだ首を縦に振らない。
そんな藤孝に焦れたみきが耳打ちした瞬間、
「よし。引き受けた!」と今までの態度を一変させた。
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