戦国無謀

□茶を点てる男
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朝、藤孝の屋敷の離れの茶室には客が招かれていた。
秀吉とねねである。ー

2人は藤孝と茶の湯の約束をして
いたのである。という訳なので2人ともそれなりの準備をし、茶碗も持ってきてある。
だが、そこには藤孝の姿はなかった。


一方その頃藤孝は思わぬ事態に悩まされていた。
二日酔いである。元来、酒は弱くない、むしろ強い方であるが昨晩、半兵衛と呑みに行った時に飲みすぎたようである。
そんな頭痛に悩まされてる藤孝を尻目におみきは昨晩までに済ますように言われていた膨大な数の古典の整理を明け方に終わらせたばかりであった。
おみきは漏らす。
「ああ、やっと終わった。これで休める。」
それに反応した藤孝は口を開き、「戯け。いつまでかかっておるんや。もう朝じゃぞ、取り敢えず俺が羽柴殿の相手をしている間は茶室の方に近づくな。」と言い放った。
これには待ってましたかのように「言われなくてもそうしますよ。せいぜい大恥かいてらっしゃい。」と一言言った後、おみきはそれまでの疲れからそのまま燃え尽きた。
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