脱出せよ! 【完】
□救いの手
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緑間、高尾、海野チーム
緑間side
「何だ!?」
1階フロアを任されたオレ達が事務室を物色していると、悲鳴が聞こえた
ここから、そんなに遠く離れてはいない
「助けに行きますか?」
『いや、大丈夫だろう』
どのチームにも頼りになる奴はいるし、ここから遠くないと言うことは、いざとなれば職員室に逃げ込むこともできる
何より、今は時間が惜しい
薄情だと言うなら言えばいい
『オレ達はオレ達のことをするまでなのだよ』
「そうだな」
「え?けど…」
「大丈夫だよ、海野さん。アイツらはちょっとやそっとで倒されるような奴らじゃないから」
『もし、ダメそうなら桃井から指示が来るだろ。それまでオレ達はオレ達のことをするだけなのだよ』
司令塔である桃井から何の指示もないと言うことは大丈夫だと言うことだ
「さて、ここももう大丈夫だろう」
『あとは、昇降口だけか』
「骨が折れそうだな…」
赤司、実渕、奈央チーム
赤司side
『やはりダメか…』
「予想は出来ていたけどね…」
「1回戻りましょうか」
体育館は、本館と別館を繋ぐ1階の渡り廊下を進み、さらに別館を抜けた先にある
だが、体育館へと続く別館の1階のドアが閉まっており、ドアにはBの文字
あいにく、まだBのカギは見つかっていない
しかも、この渡り廊下の左右は壁に覆われておらず、なんなら外に出られそうだが、見えない壁に覆われていた
「不気味よね…風は通り抜けて行くのに、私達は外に出られないなんて…」
『外にはなにもない。そう言うことなんだろ。とにかく、ここで時間を潰すわけにもいかない。一旦戻り、カギが見つかるまで、どこかのチームに加わろう』
紫原、氷室チーム
氷室side
『やられたな…』
「え〜。どーすんの?」
3階まで昇ったところでドアが出現した
ドアにはCの文字
『2階は全て散策してあるし、あるとしたら1階か別館だろう。1度戻ってどこかのチームに加わろう』
「それしかないか〜」
珍しいな…
いつものアツシなら、めんどくさいと文句を垂れそうだが、今回ばかりは素直に従ってくれる
だが、顔は不機嫌
言いたい言葉を抑えているのだろう
慰めるようにアツシの背中をポンと叩き、来た道を引き返した
緑間、高尾、海野チーム
緑間side
『何とも厄介なのだよ…』
最後の散策場所である昇降口に着くと、揃って肩を落とした
「コレ…いくつあんの…?」
全ての下駄箱にドアが付いていた
3学年分の下駄箱一つ一つを開け、中を確認するとなると、とんでもない時間を浪費するだろう
それぞれバラけて散策したいところだが、ドアを開けた瞬間、モンスターが現れる危険性もあるため、まとまっていた方がいい
「じゃあ、真ちゃんは銃を構えてて。オレと海野さんで順番に開けてくから」
高尾が一つ目のドアに手をかけ、オレがそれに向けて銃を構える
「行くぞ!」
『ああ!』
高尾が勢いよく、ドアを開くが何も起きなかった
「ハズレか…」
モンスターは出てきて欲しくないが、中にも何も入っていなかったようだ
「緑間」
次に海野さんがドアに手をかけ、開けようとすると、不意に声をかけられた
『赤司か…』
「あれ?何でここに?」
「残念ながら、体育館に行くにはBのカギが必要でね。成すすべもなく帰ってきたと言うわけさ。だから、手伝うよ」
『助かるのだよ。まだ一つ目を開けただけだ』
「じゃあ、オレ達は反対側から開けていくよ」
「じゃあ、オレ達は真ん中から」
赤司達と話し合っていると、大きな2つの影が現れた
『氷室さん、紫原!?』
「話は聞こえたよ。オレ達も3階に行くのにCのカギが必要でね」
「なら、全員で手分けして捜索しますか!!」
「「「『おう!!』」」」