脱出せよ! 【完】

□始動
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リョーちゃんから受け取ったトランシーバーで征ちゃんから次の指令が下された

私達は少し先にある、階段から上下に分かれて行動する

トランシーバーは、大輝と私に託された




「で、どう分けるかだな」

『私と高尾くん。大輝とさつきと実渕さんでいいんじゃない?』

「そうね。それが一番いいかも」




あまり戦力にはならないさつきには、2人着いた方がいいだろう

だから、大輝と実渕さん

数が少なくなってしまう方には感知タイプの高尾くんを付けて戦力を補う

だから、私と高尾くん




『私と2人だけじゃ心配かもしれないけど、よろしくね』

「いや、これがベストだろ。よろしくな」

「じゃあ、行きましょう!」




先頭に大輝

その後にさつきが並び、真ん中には感知タイプの高尾くん

その後ろに実渕さんが並び、最後に私がつく

高尾くんが、教室の外を確認した後、一列に並んで階段を目指した




「止まれ」




階段は目の前

その角に身を潜め、再び前方を確認する





「いねぇぜ」

「よし、じゃあ分かれるぞ。オレ達は上、麻紀達は下に行け」

『了解!』

「また後で!」




二手に分かれ、私達は階段を駆け下りる




ーピピピッ




『待って』




踊り場に差し掛かった所で、耳に付けたイヤフォンから、着信を知らせる音が鳴った




〈赤司だ。オレ達は1階に到着した。青峰、麻紀。どう分かれて、どちらが下に向かっている?〉

『私と高尾くん。大輝とさつき、実渕さんに分かれて、私達が下に向かってる。今は1階と2階の間の踊り場にいるよ』

〈ならば、一度戻り、緑間達からAのカギを受け取れ〉




一足先に1階に降り、職員室に向かった征ちゃんが見つけたのは、@と書かれたカギ付きのドア

幸いにも征ちゃんが持っているカギは@

そして職員室を挟むように反対側にもカギ付きのドアがあり、そのドアにはAと書かれているらしく、カギが開けられないらしい




『わかった。真くん達と合流…』

〈しなくていい〉




征ちゃんと話している時に割って入って来たのは、話題の主である真くんだった




『え!?何で!?』

〈話は全部聞いていたのだよ。校内地図によれば、今からオレ達が向かう教室はお前達がいる階段の目の前だ。その教室に向かう際にお前達にカギを投げる〉

『なるほど』

〈だから、教室が見える位置で待機していろ〉

『了解!!』




踊り場で私が1階方向、高尾くんが2階方向を向いて真くんの言う通り待機していた

つまり、真くんからカギを受け取るのは高尾くんだ

真くんの相棒である高尾くんなら、真くんからのパスも簡単に受け取れるだろう




「高尾!受け取れっ!!」




待機していると、静かな空間に真くんの声が響いた




「来いっ!真ちゃん!!」




目標をとらえた真くんは高尾くんに向けて真っ直ぐカギを放り投げた

バスケットボールと違って物は小さいが高尾くんは難なくキャッチした




「確かに受け取ったぜ!」

「オレ達も、この教室を散策したら職員室に向かう!」

「気をつけろよ!」





カギを受け取ると、すぐに1階まで降りた





『あった!!』




職員室までの曲がり角を曲がると、すぐにドアが現れた

高尾くんはすぐにドアのカギを開けた




「開いた!」

『わかった!高尾くんは私の後ろに!』




高尾くんは武器を持っていないし、持っていたとしても扱いにも慣れていない

職員室は安全な場所と言っていたけど、職員室の外は安全ではない

ドアを開けた瞬間、モンスターが現れる可能性だってある

だから、高尾くんにドアを開けてもらうように指示し、私が現れるかもしれないモンスターを撃てるように銃を構えた




「いくぞ…」

『うん…』

「せーのっ!!」




高尾君が勢いよくドアを開け、幸いにもモンスターは現れなかった

ドアを開けると、すぐに職員室と掲げられたプレートが目に入った

その後も辺りを念入りに確認したがモンスターはいなさそうだ

だが、モンスターは突然現れる

神経を研ぎ澄ませながら、ゆっくりと職員室へと向かった




『高尾くん入って!』




職員室の前まで来た

ここまで来れば大丈夫だろう

先に高尾くんを入らせ、私は辺りを見渡しながら、職員室へと入った
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