ウミガメのスープを召し上がれ

□ウミガメのスープ
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※大変グロ要素の強い話となっております。











「ねぇ、東方君知ってる?」






ウミガメのスープって話。













クラスの女子がしたその話は東方仗助には難易度が高すぎる問題であった。








『あるレストランで男の人がウミガメのスープを頼みました。』






『男の人はそれを一口食べるとウエイトレスに問いかけます。』







『「これは本当にウミガメのスープですか?」』





『ウエイトレスは「はい」と答えると、男は顔を曇らせました。』







『その後、男は自殺してしまいました。』












『さて、何故男は自殺をしたのでしょうか。』




















「わっかんねーよ。ヒント少なすぎねェか?」




「東方君、もちろんノーヒントとは言わないわ。」






クラスメイトはにっこりと笑う。







「イエスかノーで答えられる質問をしていいわ。答えを知っている出題者、つまり私はそれに正直に答えます。」







「じゃあ、男が死んだのはウミガメのスープと関係があるのか?」







「いい考え方をするわね。イエス、よ。」







仗助は軽く呼吸を整えた。










「お店のウミガメのスープは本物のウミガメのスープだったのか?」



「イエス。」





「ウミガメのスープの成分には人間を錯乱させる作用があるか。」



「ノー。」





「ウミガメのスープには毒が盛られている。」



「ノー。」





「男は自殺で間違いなかったのか。」



「イエス。」





「男は過去にウミガメのスープを食したことがあったか。」




「それはイエスかノーで答えれないわ。」




「その理由は聞いていいか?」




「大ヒント。ウミガメのスープとう単語の解釈の仕方が二通りあるの。どちらのことを言ってるかわからないからよ。」




































「ウミガメのスープの答えだ。」





仗助は静かに言葉を紡ぐ。








『男は以前に海難事故に遭い、漂流した。』






『海難事故にともに遭った人間たちが次々に息絶える中、生き残った者たちはその死肉を食べた。』






『その中で男だけが死肉を拒否し、衰弱していった。』





『男を生かすために皆は嘘をついた。』






『「これはウミガメのスープだ。」』





『男はウミガメのスープ”を食べ、生き残った。』







『救助され、生き残った男はレストランで本物のウミガメのスープを食べたんだ。』





『味が違うスープを食した男はすべてを悟って、死んだんだ。』

















「これがウミガメのスープの回答だ。」






仗助の言葉にクラスメイトは頷いた。







「さすがだね、東方君。」










クラスメイトは透明なレインコートを楽しそうに羽織った。








「じゃあ問題。私は東方君と虹村君をここに閉じ込めて何をしようとしてるでしょうか?」









放課後の教室に億泰とともに呼び出されたオレは衝撃を感じ、気づけば知らない部屋に二人で捕らえられていた。





スタンドはどうしてだろう、使えない。







億泰は今も気絶した状態である。











「正解はね、私、ウミガメのスープ”をどうしても食べたいの。」






彼女はどこからか鉈をとりだした。







「東方君、怪我を治せるんでしょう?」







にこにこ笑いながら彼女はゆっくりとこちらに近づく。









「じゃあ、何度でも食べれるね。」







億泰に向かって振り降ろされたソレは、瞬間、部屋の真っ白な壁を真っ赤に染めた。





















ウミガメのスープを召し上がれ

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