それは何色。
□24話
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※流血表現(?)注意
「あら。」
「おう。」
あの中年スタンド使いに攻撃されたのは昨日のことである。
あの後、結局私たちはお互いの普段の居場所、住処などの情報を交換して解散となった。
承太郎さんはどうやらその道ではまぁまぁ有名な学者らしく、空条博士と呼ぶことになり、老人はなんとなく予想はしていたのだが、仗助君の父にあたる方らしい。
名はジョセフ・ジョースター。
最初はお義父さんと呼ぼうかと仗助君に面白半分で提案したのだが、本当に嫌そうな顔でやめてくれと言われたため、ジョセフさんと呼ぶことになった。
二人は現在ホテルに宿泊しているようだ。
そんなこんなで大ごとになってきた私たちの町で巻き起こる事件なのだが、昨日の今日で顔なじみとばったり再会してしまう。
噴上裕也。
仗助君が吉良事件のときに出会ったスタンド使いらしい。
見た目はまぁまぁイケメン。
ちょっとチャラそう。
「お前、仗助の彼女の…生爪剥ぎ女じゃねーか…。」
「失礼な呼び名ね。」
もちろん私の爪には今もつけ爪がしっかりついているが、あれは脅し文句であるわけで、実際に人の爪を加工したものなどではない。
彼の周りには取り巻きと思われる女性が三人ほど、私を品定めするような視線で見つめていた。
噴上君はそれに気づいたのか、三人にちょっとどこかであそんで来いよと告げ、私と噴上君は二人になった。
すごく女の子ににらまれたのは気のせいだと思いたいところである。
「お前、狙われる覚えとかねーのか?」
単刀直入にそう聞いてきた噴上君だが、それは私さえ思うことである。
無言で首を振るとそーだろうなァとため息をついた。
「噴上君は後天的にスタンド使いになったの?」
「そうだな。先天的な、もともとのスタンド使いは昨日呼ばれた面子ではいないんじゃねーのか?」
「そうなのね…。」
人為的にスタンド使いが生まれる町。
そう思うと少し寒気に近い何かを感じた。
「お前、狙われてんのに一人で歩いてんのか?」
話を切り替えるように噴上君は私をじとっと見つめた。
「おつかいよ。住み込みで家政婦してるのよ。」
スーパーの袋を見せると、噴上君は岸辺先生の家まで送ると言ってくれた。
なんだかんだいいやつなのかもしれない。
岸辺邸に向かう道中、お互いにスタンドの話をした。
「お前のスタンド、とんだチートじゃねェか…。」
顔をしかめた噴上君であるが、私自身はそのスタンドで戦ったことは数度しかなく、あまり使いこなせていない。
チートぐらいでちょうどいい戦力だと述べた。
「でもよ、もしかしたらそのスタンドが邪魔だから殺されそうなんじゃねェのか〜?」
オレなら真っ先に殺すねと言われ、少し複雑な気持であったが、たしかにその可能性はある。
「やっかいな能力をもったら大変なのね。」
岸辺邸についたので、私は噴上君に手を振って、家に帰った。
ありがとうと言うと噴上君は当たり前のことをしたまでと告げて背中を向けた。
「先生、ただいま帰りました。」
家の中はいつも大概静かである。
岸辺先生がうるさくすることはそんなにない。
しかし、今日はなぜかその静寂に何とも言えない嫌な感じがする。
「岸辺先生ー?」
リビングを覗き込んで絶句した。
リビングの壁一面に真っ赤な濡れた字で
『岸部露伴は死ぬ』
と書かれていた。
その文字の横には地図が貼ってある。
私はその地図をちぎり取ると、そこに記された場所に急いだ。
記された場所は、山寺杜王病院。