それは何色。

□20話
1ページ/1ページ



※仗助君、ちょっと最低な想像をする話。






「康一よォ〜、オレって男としてどうだと思う?」




「どうって言われてもなァ…。」







謎の女スタンド使いの襲撃から早三日。


仗助君はずっとこんな調子である。





「オレ、花子に頼られてるのかとか、花子にどう思われてるのかとか考えちまってよォ〜…。」



「どうって…二人は付き合ってるんでしょ?」




そう言うとそうなんだけどよォ、と仗助君は頭を抱えてしまった。





「オレと花子のそもそもって花子がオレを殺そうとして付き合ったワケさァ、その…なんつーか、オレがめちゃくちゃ花子好きでも、花子はそうでもないっつーか…。」



「仗助君はそれを承知で付き合ってるんじゃないのォ?」



「そうだけど…最近それじゃあ物足りねーよなァなんて思うワケでよ。」






なるほど、彼らの恋愛もゆったりとながら進歩はしているようである。


あくまで仗助君側のみ、といった現状ではあるが。






「大体、花子のやつ、露伴と住んでるんだぜ?あの露伴。アイツと同棲なんて精神おかしくなりそーだっつーの。」



「僕も由花子さんから聞いたときは驚いたよ…。でも、あの二人、ちょっと似てるトコあるしなんだかんだでうまいことやってそうだけどなぁ…。」




「似てる!?どこが!!?オレの可愛い彼女とあの偏屈露伴のどこが似てんだよ!!!?」






あまりにも大きな声に僕は驚いた。



僕らはあくまで今、学校という、誰がどこで何を聞いているかわからないスペースにいるわけで、あまり大きな声を出さないでほしい。





「偏屈なところとか、周りをかえりみない感じとか、毒舌なところとか…ケッコーあると思うよ…?」



「全部悪いトコじゃねーかよ…。」





こればっかりは仗助君も否定しないあたり花子さんが少し心配になった。



彼女はこれからの人生あの破天荒な性格でどのように社会進出していくのだろうか。






「露伴も花子とめちゃくちゃ仲いいっぽいしよ〜…」



「それ、誰から聞いたの?」



「花子、体育祭でぶっ倒れた理由、露伴の仕事の手伝いとか言っててよ、彼氏としては信じてーケドよォ、正直露伴と花子がその…なんつーの……ヤってるとか…。」



「それはないと思うし、彼氏なんだしそこは花子さんを信じてあげるべきだと思うよ、仗助君。」





あまりの発言に僕は隠しもせずに眉をひそめてしまった。



いくらなんでもそれはないだろう。






「そういえば前のスタンド使いの件はどうなったの?」





僕は話を切り替えようと別の話を始める。



先日由花子さんと花子さんを襲った女のスタンド使いである。






「花子が言うには保険医の新衣ってやつと一緒にカフェに入ってたらしいんだけどよ、どうも新衣ってやつはスタンド使いかどうかビミョーでよ…。」



「どうして?」



「オレのクレイジーダイヤモンドで殴ろうとしたんだけど、スタンドが見えてなかった。」





いきなりとんでもないことするなぁと思いながらも話を聞く。



なるほどどうやら新衣先生は白らしい。





「純粋に知り合いだっただけ、なのかな…?」



「今んとこの見解はそーだな…。」





なんとなく周りを見るとたくさんの人がいる。



そもそもスタンド使い人口が高いこの杜王町、吉良の事件で増えたスタンド使いは全員把握しているが、そもそもいたスタンド使いがいるとすれば、その顔もスタンドも僕たちは知らない。





スタンド使いは引かれ合う。



もし、僕たちが別の脅威を引き寄せてしまっているとすれば。






そう思うと少し鳥肌が立った。






「それでさ、康一。」




仗助君は瞳を伏せたまま、話す。





「今回のこと、一応承太郎さんに相談したんだよ、オレ。」




「承太郎さんに?」





たしか詳しくは知らないが、論文発表で博士号をとったとかで今忙しいはずだ。



どうしてか仗助君の言葉の歯切れが悪い。





「来るんだってよ、杜王町に。」




「えっ!?」




「その…ジョセフの爺さんも一緒に…。」



「うそぉ!?」





なるほど仗助君の歯切れが悪いはずだ。



前回の件で、親子仲が多少は解消されたといえど、母に見つかるかもしれないというリスキーな杜王町訪問をあまりよろしくは思えていないようだ。





なんとなく思うとこれで役者が揃うことになるのではないか?



さすがに鈴美さんやアーノルドはいないけれど、吉良の事件を第一線で追いかけていた人間がこの杜王町に集うことになるのだ。





前回と違うことといえば、花子さんの存在である。





ふと思うことがあった。



何故あのスタンド使いは由花子さんと花子さんを狙ったのだろうか。




吉良のことを口走った彼女が狙うべくは実際に吉良を追い込んだ僕や仗助君、億泰君なのではないか。



人質にとるにしても由花子さんや花子さんのスタンドは強すぎるのだ。






僕はそんな違和感を振り払うように頭を振った。



それを僕は後に後悔することになるのだ。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ