I want to be a HERO
□目標と友達へ
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「類ちゃん」
お茶子ちゃんに呼ばれてはーい?と振り向くと顔が怖かった。
「頑張ろうね、体育祭」
「お茶子ちゃん顔!!顔のイメージが180°回転しちゃってる!!どしたの!!?」
百ちゃんは用事があるため席取りで先にランチルームに向かう途中で緑谷くん達と合流し、先ほどの話を聞くと顔には似合わないすんごい話しが飛んできた。
「「お金欲しいからヒーローに!?」」
「究極的に言えば」
あははと少し恥ずかしそうに話すお茶子ちゃん本当に見た目と言ってることがギャップありすぎなんですけど。
「なんかごめんね不純で…!!飯田くんとか立派な動機なのに私恥ずかしい」
なにこの子、めっちゃ可愛い。詐欺だわ。
話を聞いてみるとお家の自営業でしている建設会社のお仕事が滞りが悪くお金が中々入ってこないという。そこで親に就職で家の手伝いすると話すと親心にも優しく断られてしまったらしい。
「私は絶対ヒーローになってお金稼いで父ちゃん母ちゃんに楽させてあげるんだ」
この子は今の現状の理解と親のためにヒーローになろうとしてる。
親孝行が出来るヒーロー。
なんて素敵なんだろう。
「麗日くん…!ブラーボー!!」
「頑張ろうね、体育祭!」
「うん!」
素敵な目標が叶うといいなぁ。
突然飛んできたオールマイトに緑谷くんがご飯に誘われて、飯田くんとお茶子ちゃんとランチルームで別れ、百ちゃんとお昼をとることに。
「で、類さんに聞きたいのですが…前々から思ってたのだけど、裕福な家庭なんですか?」
おっとーまさかの死角からの豪速球きたー。
入学してからほぼ一緒にいる百ちゃんに話してないことと言えば家の話。話せない話ではないけど話したくない、お家が極道一家なんて。恥ずかしいのではなく変な対応をされて離れられ変にまた目立ってしまうのが嫌なのだ。
「えっと…」
「…無理に聞いてるわけではありませんの。話したくないのでしたら聞きませんわ。お家のご都合もあると思いますし。ごめんなさい」
少し悲しそうな顔をされてしまった。
ずっといるとっても仲良しの友達。
彼女には理解して貰いたい。
「…実はね。秘密にしておいて欲しいんだけど、うちの家、極道一家なんだ」
突然だけど、百ちゃんだけに聞こえるように話した。話せなかったこと、友達に離れられてくんじゃないかってこと、目立つのが嫌な理由の一つだということ。
彼女は初めてかなり驚いていたが、その後真剣に話を聞いてくれた。
「私は、今までどうしてそんなに目立ちたくないか疑問もあったのですが、そういうことだったんですね」
なんだか彼女はけろっとした感じで止めた箸を進め始めた。
「…なんかドギマギしないの?」
「なんのお話ですの?ここはランチルームですし、秘密のお話はいつでも2人で出来るじゃない」
微笑んで受け入れてくれる百ちゃんに私は少し鼻がつんとして、
「まぁ!ブロッコリーが!」
ご飯の中のブロッコリーの花を咲かせてしまったのだった。
放課後
A組の前に人だかりができていて
教室からでれない状態でいた。
何人か廊下ですれ違う程度に見ている。
「意味ねぇからどけモブ共」
うわぁ、爆豪くん全員敵に回したよ。
「どんなもんかと見に来たが、ずいぶん偉そうだなぁ。ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい?」
前に出てきたのは目元にクマができている身長の高い男子
「こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ」
言ってることがごもっともだが言い方がかなり喧嘩売ってるのは彼もそう。
「普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったって奴、結構いるんだ 知ってた?
体育祭のリザルトによっちゃ、ヒーロー科編入も検討してくれるんだって
その逆もまた然りらしいよ……」
先生、その話私達には知らせてませんよね??
あ、落ちる奴が悪いって?さすが先生。
「調子のってっと足元ゴッソリ掬っちゃうぞっつー宣戦布告しに来たつもり」
なんとも大胆不敵。
「隣のB組のモンだけどよぅ!!
敵と戦ったっつぅから話聞こうと思ってたんだがよぅ!!エラく調子付いてんなオイ!!!本番で恥ずかしい事になっぞ!!」
A組のメンツは冷やっとした人が何人かいたであろう。
最悪だと批判するクラスメイトもいる。
だがしかし、彼らは宣戦布告と言ってきた。
爆豪くんも分かってる様だ。
「上にあがりゃ関係ねぇ」
これくらいが丁度良いと私も思う。
しかし、朝のお嬢様だと何人かが指差して話すのはいただけない。
また反感を買うので私はさっさと帰る事にしよう。
そして庵さんに意味のない交渉とお友達のお話をしようではないか。
to be continued...