I want to be a HERO

□疑惑と安心と心配と
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「おいこら、おっさん。
もう終わり?ねえ?聞いてる?口ないの耳塞がってんの?大きな声で話せるように私の声がよーく聞こえるように裂いて穴開けてあげましょうかぁ?」

しょっぱなからとんでもないこと言ってます。
近くに尾白くんいなくてよかった。

ただいま、突然あの某映画テーマパークの火災体験型アトラクションのような火災エリアに飛ばされた私達は、私が起こした津波で敵が流され周りの火もなくなり、弱ったところを叩きにいっている。
ほぼ戦闘不能になっている敵を倒して尾白くんが私の能力で縛っている間、さっきの大男に尋問をしていた。

「私の家のこと誰からきいたの?うちの家、結構セコム(庵さん筆頭にその他)が効いてるから、なかなか情報回らないようにはしてるんだけど」

姉妹で産まれてしまったが故に家族から痴漢だ誘拐だ変質者だというものを心配し、女子校に通わされ一時期はSPを連れてるんじゃないかという具合に庵さんや舎弟さんが付いていた時があった。
今回私が雄英に通うのも情報が回らないようにしたと聞いたが、すでに顔も割れているのは何故だ。

「お、おお俺は!写真を見せられてみ、見つけたら連れて来いって言われただけだ!」

怯えながら話す大男の話は本当らしい。私のことを知っていて私の誘拐を企てるということは家に恨みでもあるのかしら?
それはともかく、

「誘拐?
こっちの世界の娘さん誘拐って、

覚悟できてる?」

にっこり笑って問答無用でギッチギチに縛り上げれば呻き声がひどくなる。

それを放っておいて尾白くんのところに向かえばどうやら縛り終えたらしい。

「お疲れ様って、尾白くんなんかぎこちない顔してるけどどうしたの」
「い、いや!なんでもない!
それよりこれからどうする?」
「ここを出たいところだけど、オールマイトを殺すって言ってた奴らがどんなのかって思ってたけどここの敵、数は多いにしてもオールマイトの為じゃなくて生徒用に用意されたって感じだよね」
「た、確かにオールマイトに大人数で行けば勝てる気はするけど、俺たちの足止め程度な感じだ」
「しかも私達の能力を知らないで各エリアに飛ばしたとしたら、今1番危ないところは先生のところじゃない?」
「きっと皆そっちに向かうよな
ここに留まるより俺たちのも行こう」
そして外に出て元の集合してた場所に向かった。
皆きっと無事、勝手にそう思ってた。









「どう、なってんの」
奥には今着いたであろう先生方と飯田くんが見えた。

けど、
血だらけの相澤先生。
助けに来てくれたのだろうオールマイトもボロボロで立って動けない状態なのか。


「あーあきちゃったな…ゲームオーバーだ」

敵が真っ黒な霧に飲まれるのを防ぐように弾丸の雨を降らせるヒーロー。
捕獲と蔓を伸ばして敵の手に巻きつけると彼は蔓を掴んでブツりと千切ってしまい蔓の先の私の見た。

「!?」

彼はニヤリと笑ったのだ。
何かを見つけたように。

13号の能力も虚しく彼らはワープで逃げてしまった。



「類ちゃん!!無事で良かったよー!」
「お茶子ちゃんも無事でよかった!」
お茶子ちゃんが涙目で私を見つけ抱きついてホッとしたようだ。
ゲート前に集合し両脚重症の緑谷くんを除いて皆の無事が見えた。

「百ちゃん!大丈夫だった??」
「ええ、類さんも大丈夫でした?火災エリアにワープされたときいたんですけど、」
「あぁ、水で流して縛っといたから大丈夫!」


「尾白くん…今度は燃えてたんだってね
一人??過酷なところに飛ばされたね!」
「いや、四革さんと一緒だったよ
四革さんの個性のおかげで大丈夫だったんだけど…(本当に津波で流して蔓で縛ってたしな、壮絶だった…)」
少し青白い顔をする尾白くんと首をかしげているのか葉隠さん。

皆の安否を確認できたが相澤先生が心配だった。
なんでも顔面と両腕の骨折をしたらしい。
1人でギリギリで、生徒を安心させ守りながら戦っていたらしい。
アングラヒーローと言われているが、先生は生徒を守るために必死だったのだと思う。

最後に先生の後ろ姿を見た時、ヒーローはいつも孤独という言葉も見え、守るための強さも見え、先生に尊敬の念を抱いた。


「(あと、まず家に報告しなくちゃ)」

これからまた新たな戦いが来ても大丈夫なように。










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