I want to be a HERO

□体力測定も必死です。
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「ハイ 静かになるまで8秒かかりました
時間有限、君たちは合理性に欠くね」

廊下で寝袋に入りゼリー飲料を一気飲みしているのは私たちの担任らしく、先生らしかぬ登場に皆突っ込みどころ満載で戸惑いが隠せないでいる人もいた。


「(ヒーロー科って変人が多いのか・・・・・)」

先生の説明で指定ジャージに着替えてグラウンドに集合となった。




「「「個性把握・・・テストォ!?」」」


グラウンドに来たと思ったら入学式やガイダンスといったものではなく、むしろヒーローはそんな悠長な行事は出る時間がないという。


「雄英は自由"が校風が売り文句
そしてそれは先生側もまた然り」


つまりそれはここでは俺がルールだですか。
どこぞの忍者だ。




そして始まった個性を使っての体力測定
トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し除籍処分という最悪な罰ゲームを持ち込んできたので皆最大限に個性を使って測定を図る。


「(これは必死になるわ)」

50m走、握力、ボール投げ、反復横飛び…etcを皆普通の人ならありえない数字をたたき出しながらクリアしていくのを見て自分にも焦りが出てくる。

――握力
「(やった。30あった!中学よりかなり伸びてる!)」


「540キロて!!あんたゴリラ!?タコか!!」


・・・・・


――ボール投げ
「(水に包んで能力で飛ばす!!!!)」


「無限!?すげえ、無限が出たぞ!」



・・・・・・


・・・ここが陸じゃなければ!!!!!!!!!!(意味はありません)


本当にありえない数字をたたき出すクラスメイトに笑えない。まったく笑えない。
自分の得意不得意はあるもののこれが1番というものがなかなか出せないでいる。
ここで除籍処分になったら祖父に殺されるどころか母にも殺され2度死ぬ!!!
恐ろしい結末を考えていたとき飯田くんが近づいてきた。

「あ、飯田くん、50m走お、お疲れさま…です」

「四革くん、どうした?なんだか顔色が悪いぞ?」

「ちょ、ちょっとね…あ、何秒だった??」

「3秒04だ」

「・・・・」

この・・・・うらやましいぞバイク人間・・・・!!

思わずグググ・・・・とうつむきがちに下唇を噛むと飯田くんは少し首をかしげていた。


「それより緑谷くんはこのままだとまずいぞ・・・?」

ふと見れば彼は跳んだような記録は出してなく、このままでは最下位になってしまう。

「ったりめーだ 無個性のザコだぞ!」

「え?」

それはおかしい。だって彼は試験の時にあのギミックを片腕で殴って倒した人物だ。
そんな人が無個性っていうのがあり得ない。
緑谷くんがボール投げると記録は46mが出される。

しかし、今思いっきり力を出そうとしたのが見えたのになぜそれしか出ないのだろう。

「今、確かに使おうって・・・」

「個性″を消した」

・・・・・先生それって妨害行為・・・。




先生は抹消系ヒーロー イレイザー・ヘッド
見ただけで人の個性を抹消する個性を持っている。
話は聞いたことがあるが、あまりメディアには大きく出ていないらしい。

「指導を受けていたようだが」

2回目の投球を投げる緑谷くんを見るとなんだかすごい真剣で、思わずじっと見てしまう。
そして彼が叩き出した数字が



「705.3m!!!!!!」


「先生・・・・!!まだ・・・・・動けます!!」


そんな緑谷くんをみて素直にかっこいいと思ったのは心にしまっておこう。
口元が緩んでしまったのは隠せなかった。









「「四革さん!!」」


下校時校門を通り過ぎようとすると後ろから飯田くん、緑谷さん、麗日さんが私を呼んでいるではないか。


「四革さん、二人が話したいことがあるというんだ」


「え、えっと、何、ですか・・・??」

二人はすごく真剣にとても嬉しそうな顔を向けるのでこちらはどぎまぎしてしまう。
てか話したことない・・・。


「私、麗日お茶子です!!試験の時助けてくれてありがとう!!!」

「ぼ、僕、緑谷出久です!!試験の時助けてくれてありがとう!!!!」


試験の時に、初めて助けた二人からの感謝の言葉に胸がぎゅっと痛くなった。
何だろう、すごくこそばゆいのか恥ずかしいのかわからない。

「ど、どういたしまして。」

「四革さんの個性ってどんなの!?」

「えっと、水分・液体操作と大地操作」

「凄い!!2種類も持ってるの!?」

「姉妹みんなそんな感じで・・・」

「私無重力操作できるの!」

「あの無限女子・・・」

「四革くんが戸惑っているぞ」








いつの間にか自然に話せるようにもなっていて、小さい頃の友達作りを思い出す。
いつの間にかこうなってるよね。

高校生活1日目
なんだか一気にお友達ができました。



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