I want to be a HERO

□冷たい風を浴びながら
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そんなこんなで雄英高校に志望を決めたのはいいが偏差値を聞いた瞬間に吹っ飛んだ。

「偏差値79!!?え、これ、え!!?」

驚愕し今までの自分の試験結果を思い出し死ぬ気で勉強することに。
また実技試験とこれからのために筋力トレーニングと合気道の先生でもある祖父に徹底的に鍛えてもらうことにした。

そして2回目の模試を受けてB判定を出した時
部下と能力無し100人組手をやらされた時に思った。


人間死ぬ気でやれば出来るです。


頭がパンク寸前、体は投げ飛ばされ、固められボロボロになってもです。


そんな生活を続けていたある日、祖父に聞かれて話したことがあった。
「類はどうしてヒーローになりたい?」

「…私はヒーローになってこの力で人を、家族を守りたいんだ」

ある事件で人には使うことを拒むようになった水の力
止めてくれなければその人は死んでいた。
人の死に際と自分の恐怖で人に会うことさえも拒絶した時期を祖父は知っている。
私は覚悟の目で祖父を見つめたつもりだ。
祖父は「そうか」と一言口にしてあとは何も言ってこなかった。








必死に勉強と合気道そして筋力トレーニングを積んでいた10ヶ月。

実技試験の日がやってきた。
冷たい風を浴びて、澄んだ空気、湿度もちょうどいい試験日和である。



校門をくぐり会場にむかう途中髪の毛もさもさの子が転びそうになってるところに女の子が能力で宙に浮かせてた。

皆、不安だよね。
転ばなくてよかった、縁起悪いし。


それを横目に会場に入っていき席に座ると一気に緊張感に包まれた。
周りに触発されてか手に汗がどっと出る。



そして実技試験の説明会が始まった。

「今日は俺のライブへようこそ!!!
エヴィバディセイヘイ!!!」

シーン・・・・・・・・・


…さっきまでの緊張感を返していただきたい。





説明はこんな感じで続き受験票に書かれた指定の模擬市街地演習場に向かうことになった。
持ち物は自由というのであらかじめ持ってきたアサガオの種をポケットに突っ込んだ
ジャージに着替えて会場前で試験開始を待っていた。

また緊張が戻ってきて手が冷たい。

あ、さっき校門前でこけそうになってた子だ。
同じ会場だったんだ。

皆その子を見てラッキーとか言ってたけど、能ある鷹は爪を隠すと知らないのか。
頬をバシッとたたき気合を入れてスタートともに走り出した。


敵ロボットが倒される中、自分も種を成長させ、周りの空気中の水分を種に含ませて成長活性させながらどんどん巻き付けてつぶし、投げ飛ばしを繰り出す。

え、なにこれ、皆必死すぎて怖い。
ポイント稼ぎもそうだけどこれってポイントだけ見てるの?

ポイントを稼ぎながらこの試験を少し考えた。

(違和感あるんだけど、なんだろ)


その時、大きな音とともにギミックが現れた。

(デカ過ぎないギミック!!!!!??)

周りの受験者はどんどん逆方向に逃げていく。
私はそこに突っ立ってしまった。




どうして皆ヒーローになるのに逃げてるの?




怖い、確かに怖いけど、何のためのヒーロー?
ふと瓦礫の中に動けない女の子がいた。

助けに行かなきゃ危ない

その時私より先にギミックの方に向かう受験生がいた。
あのモサモサくん。
ギミックを任せて、女の子に乗っている瓦礫を取り除いた。

「君、動ける!?」

その時大きな音が上で鳴り響いて、顔をあげた時にはギミックが倒れていくのが、そしてモサモサくんが殴って落ちていくのが見えた。


凄い。


一瞬時が止まったかのように思えたが、今は助けてることが先。
女の子を支え移動し、落ちてくるモサモサくんをキャッチできるように水と弦と凝縮させクッションを作る。
でもあの高さから落ちてくるって普通死んじゃう!!!
最悪を考えた横で、女の子が壊れたロボットに乗って宙に浮いていた。
落ちてくる直前にその子はモサモサくんの頬を思い切りひっぱたいて落ちるのを止めた。

「か、解除」

ロボットは地面に落ちて、男の子は即席クッションの上に落ちた。


安心とともに横で吐き出す女の子と
「せめて…!1Pでも…!!」と叫んで起き上がろうとするモサモサくんを見て、終了の合図が耳に届いた。


怒涛過ぎて試験終わった後、目の前でモサモサくんが治療されて、気が一気に抜けたせいかポヤポヤとした気持ちで家に帰ってしまった。



まぁ、あとは落ちてないことを祈るのみ。








帰ったら、お疲れさま会でどんちゃん騒ぎに巻き込まれた。

皆、私結果出てないんだけどな。



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