I want to be a HERO

□私、ここに通いたいんです。
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ただいま人生の分かれ道に立たされています。


あ、こんにちは。四革 類です。

中学3年生のただいま受験期真っ盛りです。
中高大一貫女子校、いわゆるお嬢様学校にに通っている。
私の友達は女子しかいず、周りの子はどこの高校に行くのか聞くと大学が一貫校、女子高、このままエスカレーターと答える子が多くそんな中でなかなか将来を考えての高校選びができていなかった。

やりたいこと。私はずっとここで考えている。
むしろこのままエスカレーターで行っちゃいなよという話なのだが、私にはここで個人的な問題があった。






5月のある日

私の家は江戸時代とかよくわからないが長年と続く極道の家で、そこで育っていたが常識人の母と一般家庭の父に育てられたため一般人の思考をもって成長してきた。
もちろん親分である祖父は孫の私たち姉妹には凄く優しく甘やかすほどだった。
そんな家族の中で私の高校についての話が出た。


「類、あんた高校は受験しなさいね」

「・・・・・・・は?」

母から言われた言葉は突然の受験発言。
なんのためにエスカレーター式の学校を中学受験までして入ったんだ。
そして私たち姉妹は全員女子校に通っていて姉たちは、そのままエスカレーターで高校に進んで大学も推薦で自分の行きたい大学に進んでいた。

「ちょっと待ってよ、今この時期にそれ言う!?」

「あんた将来なんも考えてないでしょ?」

「・・・・・・・はい」

「何も考えずに高校へ上がるのは母さん心配だわ。
お姉ちゃんたちはちゃんとやりたいこと言ってから高校進学したわよ。
おじいちゃんに親分(ボス)やらないかって言われる前に。
引っ込み思案で断らないあんたになんて皆簡単に言ってくるわよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい」


そう、私たち姉妹にはこの問題があったのだ。
この後継者問題になぜ私たちが関わらなければならないかというと女しか生まれなかったということ。
母はやらないと言い張って後継者は見つからなかったとか。
姉妹はめんどくさいむしろこんな家業(稼業)は絶対にやりたくないと豪語していた。
ちなみにズル賢い妹はすでに人生設計をわざわざ母と父、祖父の前で自然に話したらしい。

さすがである。

「女の子だから食いっぱぐれない仕事についてほしいってのが本音だけど、でもね何も考えずに学校選ぶのとやりたいことがあっての学校選びをするのは違うの。
家がこんなだからあんたすぐに若者たち(祖父の部下)に勧誘(推薦)されるわよ?」

この話を聞いた瞬間に私は即刻学校選びとやりたいことを考え始めた。

しかしそんなことすぐに思いつくはずもなくずるずると引きずり、家に帰っては部屋にこもり勉強するか部屋でくつろぎながら勧誘を避けていた。

しかし、いつもよくしてくれる部下の人が1度部屋の前でかなり優しく取り立て屋のように私を「姉さん」と言いながら勧誘してきたときは本気で焦り、観葉植物を使って柔らかく追い払ったのはつい最近のこと。



そして家が極道一家なんぞ知らない友人たちとの話に戻ることにする。

「でも類ちゃんのお母さんの言うこと分かるな。私将来能力生かした仕事がしたいから調理学校の高校に行きたくて。」

「私、美術科のある高校」

「私は教師になりたいの」

皆それぞれ夢ややりたいことを話してくれた。
そんな中ある女の子が発言したのだ。




「私は警察官になりたいの!」



この言葉に私はなぜか反応してしまった。
「え、どうして警察官?ヒーローじゃなくて?」
「お父さんが警察官ってのもあるけど、私人の役に立てる仕事でかっこいいと思った仕事が警察官だったの」



その話を聞いて改めて考えた。
私は小さいころに憧れたもの。
でもそれを家で言葉にするのは成長するに拒むように、話してはいけないとすら思っていた言葉

急いで資料と参考書、何が必要か、私の気持ちの整理を持って、
お帰りと夕飯ににぎわう広間の扉を勢いよく開けて私は言った。



その時の部下たちはぎょっとした顔やぽかんとした顔。
祖父は一瞬固まり様。
姉妹たちは少しうれしそうな顔
父はそうかそうかととても嬉しそうで
母は少しほっとしたようで、でも優しく微笑んでくれた。






「私、雄英高校に行きます!!!!」






そのあとの部下たちの大騒ぎ様はまた今度話そうと思う。




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