一個旅団兵士長と月の輪
□月影(げつえい)6
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それから、一週間。
日々が目まぐるしく過ぎていく。
愛し合う、二人の熱が加速を続けるが、時が過ぎ去っていく早さもそれに比例した。
日の光が指すうちは、通常任務や訓練をこなし、寝静まる月の頃に二人は、毎夜のように愛を交わした。
足りない……………どんなに、深く愛しても足りない。
貪欲に互いを求めても、過ぎ行く時限に
次には、切ない情緒に押し潰される。
運命の輪が二人を弄ぶように回り続けた。
その日も変わらず日常が過ぎ、一日が終わるのだろうと思っていた。
次の壁外調査の日取りが決まり、具体的な策敵案が大掛かりに執り行われた。
全ての陣形と、班の配置。
それにあたって、新しく見直された班構成、リヴァイは元来の古株で構成されたメンバーを外し、再構成した。
リヴァイ「ペトラ・ラル、オルオ・ボザド、グンタ・シュルツ、エルド・ジン、ベリエス・ボーグ、アレックス・ベッカー以上が俺の班に配属される。」
ペトラ「あ、私が……リヴァイ班!」
オルオ「俺には、始めからわかっていたぜ。俺の実力があってからこそ、リヴァイ班に選ばれっガフっ……!!!」
グンタとエルドが冷ややかに、オルオに目線を送る。
べリエス「!?」
アレックスは、不機嫌そうにリヴァイに歩み寄った。
リヴァイ「あ?何だ、不服か?」
アレックス「なんで、俺が貴方の班になって、アイシャがいない!?俺は退けても、貴方の班にアイシャを置かない理由は何ですか!?壁外で別の班にしといて、アイシャに何かあったら、リヴァイ兵長!貴方はあいつを守れるんですか!?」
リヴァイは眉間にシワを寄せ、アレックスを見る。
リヴァイ「おい、糞ガキ。勘違いするな。お前も知っての通り壁外に出て、どんな不足の事態が生じるかは、誰にもわからねぇ。だが、どんな不足が生じようと、俺は誰一人として死なせねぇように尽力する。
しかし、それさえも結果は誰にもわからねぇ。外に出て、確実に誰も死なせねぇという確証は何処にも無いからな。
だからこそ、今回俺がお前らの訓練に当たり、俺なしでもそこそこの実力を兼ね備えた人材を俺の班に配属した。俺の班になる奴は、この陣形でも特に巨人と出くわす可能性が高いところに置かれるからな。
その素質がないものは、俺の班には向かない。それが理由だ。」
アレックスはまだ納得し兼ねている。
アレックス「じゃあ、俺を貴方の班から外してアイシャと、同じ班にしてください。」