外科医長編

□生き島
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「おい、リア、朗報だ。」

 もうどれだけ時が経ったのかもわからない。

 与えられた部屋でなにをするでもなくぼーっとしていると、ノックもなしに開いた扉から、調子の良さそうな顔の赤髪…。

「なによ?」

「お前、エースに会えるかもしんねーぞ?」

 びゅんっ→がっ!!

 まさしくそんなような音を立てて私はシャンクスの胸ぐらをつかんだ。

「会えるわけないでしょ!?死んじゃったのに!」

 シャンクスは何ともないような顔で私を見下ろしている。

「バカな冗談はやめて!会えないものは会えないの!!」

「じゃあなんでお前はグズグズとたくさんの人に迷惑かけながら生きてやがる?」

「それ…は……。」

 シャンクスのもっともな言葉に思わず黙り込む。

「お前、ここに来るまでにいくつの船に乗った?白ひげに革命軍、ミホークのところとハンコックの女人島、ジンベエの魚人島、ガープのとこにも世話になったらしいな?」

「……っ…。」

「自分勝手もほどほどにしろ。父親と恋人失ったんだ、みんな優しいだろうよ。だがいつまでも甘えてちゃ、次どんな顔して会えばいいのかわかんねーだろ。」

 シャンクスのまっすぐな言葉に私は素直に頷く。

「うん…。」

 シャンクスが私の頭をなでる。

 パパがしてくれたみたいに。

「だから行ってこい、生き島ってやつに。」

 唐突に言われた言葉に私は顔を上げる。

「生き島?」

「おぅ、死んだ奴に会えるらしい。そこでケリつけてこい。」
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