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□strongly
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その日の夜。ベッドの上で自分を見つめるリヴァイの瞳はやっぱり優しくて。胸は高鳴り一つ一つの愛撫に体が解けていく。


「なまえ、いいか?」


「はい…リヴァイ兵長…」


頬を撫でられキスを落とされる。
そっと足を割られあてがわれたリヴァイの熱に小さく体を震わせた。


「あっ…!」


何度体を重ねようとこの瞬間に慣れる事はない。


「動くぞ」


「んっ…っ!」


ゆっくりと律動が開始され体中に快感が駆け巡る。緩急をつけながら的確に良い所を刺激され声を抑える事ができない。
自分がそんな声を零してると思うと恥ずかしくて仕方なくてどうにか堪えようと唇をかみ締めるのだがそれをリヴァイが見逃す筈はなく結局は絆されてしまう。そして瞬く間に絶頂へと追いやられる。そう、いつもなら。
なまえは段々と快楽一色に染まり始めた頭で昼間のハンジとの会話を思い浮かべる。



(いいかいなまえ、これは魔法の言葉だよ。この一言でリヴァイは間違いなく・・・)



ハンジがいう魔法の言葉、それは始めて口にするモノで相当の勇気を必要とするものだったし本当にそれで望む結果が得られるのだろうか?
だが今自分にできる事はそれしかない。彼の為にと迷いを断ち切りリヴァイを見つめた。




「リヴァイさん・・・」


「・・・!」



魔法の言葉とはリヴァイの名前。恋人同士になったとはいえ自分達兵士を束ねる存在である事は変わりなく敬称で呼ぶ事を変えなかった。

リヴァイ「兵長」ではなくリヴァイ「さん」

初めて呼んだ彼の名に、その響きに自分で驚いた。


「お前…」


だがすぐに不安に襲われる。確実に届いたであろうその言葉の直後からリヴァイはぴたりと動きを止め目を見開いたまま。
失礼だったのだろうか?名前で呼ばれる事が嫌だったのだろうか?
呆れているような怒っているようなそんな声色に激しく後悔した。



「クソ!」


「あっ…!」


謝罪の言葉が出かけた時、停止していた律動が再開された。今までのリヴァイからは想像すら出来ない程に強く、激しく。



「後で・・・、っ、いくらでも、文句は聞く・・・!」


「兵長、あっ、あぁ・・・っ」


経験したことのない凶暴な快感に少しだけ恐怖を覚えた。だがそれ以上に胸には熱いモノがこみ上げる。
初めて見せてくれたまるで余裕のない姿。欲のままに自分を抱いてくれている事が嬉しくて愛しさが募る。

このまま体が壊れてもいい、愛する人にそうされるなら本望だ。白みだした視界、迫りくる絶頂、全てを受け入れるかのようにリヴァイの背に両手を回し目をきつく閉じた。



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