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□mask
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討伐数、討伐補佐、精鋭揃いのリヴァイ班にも劣らぬ実力を持ち仲間からの信頼も厚い。それに加え誰もが振り替えるような容姿を持ち合わせているとなれば心引かれるのは道理。

現に今も目の前で繰り広げられている光景は日常茶飯事なわけで。
人の色恋沙汰には興味はないが眉ひとつ動かさずに好意がない旨を伝えた声色があまりにも冷たいものであったから恋破れ泣きながら走り去った女に柄にもなく同情を覚えた。



「覗き見とは結構なご趣味ですね。リヴァイ兵長」



気配を殺していたわけではなかったがどうやら存在を認識されていたらしい。まぁそう言われた所でたまたまその場に居合わせただけであって落ち度も言い訳する理由もない。素直に柱の影から身を出せばやっぱり、と言わんばかりに小さなため息を溢した。


「たまたまだ。気を使って出ていかないでやったんだ。感謝しろ」


「…それはどうも」

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