ロリポップメラゾーマ

□15.空気を読むのは楽じゃない
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食わせるか、普通。
この方今なんて言ったか、聞いていたか。
ミドリムシだと?確かあれは・・・・・・植物プランクトン。
沼に生息するやつだったような。

「違うよ、池や堀だよ」

「同じだろ、扱いは」

葉緑素で光合成を行う以上は、植物プランクトンと同レベルにしてもなんら問題にならない。
しかもミドリムシ科のミドリムシ属に属する総称じゃないか。
一気にこのサワーに手がつけられなくなった。

「うちの世界じゃあ次世代の食べ物扱いなんだけどな〜
私はミドリムシって知ってるからいらない。
理科から逃亡した若者がよく買うらしいよ。」

「へぇ、よく知ってるな。
他にはなんかあるのか?」

暇なんだろうな、ユウコは。
仕方がないので話を聞いてやるとした。
このままなにもしないよりいくらかマシだろう。
今日は帰れそうにもなさそうだから。
それにユウコの話を聞くのは悪くない。

「あのドワーフが食べてるやつ見て。
『天然発酵』っ書いてるでしょ?
天然じゃない発酵ってむしろないわよ。」

「え、マジ?」

「発酵って常にしてるんだよね、アバウトにいうと。」

アバウトすぎて訳わからないな。
基礎知識必須ってやつだ。
しかし、聖書丸暗記したんだからもう勉強はしたくない。
修道院生活逆戻りは勘弁してほしい。

「ククール、頭から湯気が・・・・・・」

「訳わからんねぇ」

「有機化学から教えなきゃダメか。
C.H.Oが主な構造原子で・・・・・・」

「あぁ〜やめやめ!!
やってられない。聞いてられない。見てられない。」

そういわれたユウコはちょっと寂しそうだ。
兄貴なら喜んで聞くだろうから、そっちにしてもらいたい。
ふてくされたユウコの顔が可愛いので眺めてみる。
これを今晩は独り占めか。
宿屋で泊まるしか選択肢はない。
ユウコが隣で寝ると思うといいものだな。
しかし、絵面として危ない気がする。
それはあとから考えるとしよう。

「まさかククールはロリコン趣味?」

「は?ロリコン?」

「学生服を着るような年頃・・・・・・
12〜18歳ぐらいが好きな人をさす。
私の年齢だとアリスコンプレックス!!」

「もう勝手に言ってろ」

ロリコンだのアリスコンプレックス、下らない議論だ。
オレが好きなのは・・・・・・
とりあえずさまよう目を一点に合わせた。
首をかしげるユウコが視界の先にいた。
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