ロリポップメラゾーマ

□13.賭け事により犠牲
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ラッカランのカジノにて。

いろんな種族によって賑わうはずのロビーには、異質な人だかりができていた。
あまりいい雰囲気ではないようだ。
あわてふためくバニーガールたち。
こんなときでなければナンパできたんだが。
やはり子持ちはナンパには不利だ。

「ねぇ、ククール。
なんか嫌な予感しかしない」

「オレもだ。なんか邪悪な気がするような・・・・・・」

「気がする?オヤジギャグはあとにしてね。」

誰がオディロ院長だ。
オレは可愛いバニーガールに一声かける。
この人だかりはなんだい?って感じに。
ユウコの前でナンパしたら冷たい目をされてこれから生きなきゃならない。
それだけは遠慮しておくよ。
あわてふためくバニーガールはロビーに目立つようにある扉を指差した。
確かスロットやルーレットがあるフロアに繋がる扉だ。

「先程から扉が開かないんです!!
中にいたお客様は強制的に外に追い出されたようで・・・・・・」

カジノの客らしき野郎が割り込んでくる。
オレはレディと話してるんだがな。

「いいや、中にはまだ人がいるはずだ。
M字ハゲのあんちゃんと連れをこのロビーで見てねぇよ。
あいつらなんかヤバイ話してたから覚えてるぜ」

申し訳ないがM字ハゲってマルチェロしかいないな。
連れは多分クロノスだろう。
あの二人がまだ扉の先にいるとなると、何かに巻き込まれたとしか考えられない。
ユウコが扉を叩いたり引いたりしているから本当に開かないのだろう。

「なんでこんなときにオレは僧侶なんだ」

どうしようもないことに文句をいう。
ユウコはまだ旅芸人だからチカラワザは無理だろう。
それに魔力で閉じられていると考えるのが妥当だろうし。

「あぁなんで開かないの!!
扇で叩いても傷ひとつつかないし!!
私が弱いから?」

「体力消耗するだけだからやめろって。
二人がどうにかするだろって言いたいんだがな。」

「まさか見捨てるの?」

「マルチェロはともかく、クロノスは救わないとな。」

兄貴はついで。
クロノスが悲しむから助けてやるんだ。
ユウコより力があるオレがとりあえず試しに扉を押してみた。
これで開かなければどうしようもない。

「え、開いた?」

人だかりを呼ぶほど大苦戦していた扉があっさり開いた。
しかし、中が闇で何も見えない。
中に入れば簡単には出てこれそうにない。
ドルマゲスが遺跡に閉じ籠った際の闇に近い感じがする。
開けちゃまずかった気がする。

「えっえぇぇ!!」

闇がオレら二人を強制的に扉の中に入れてしまったのだ。
何も準備していなかったオレらは闇を通過したらしく、地面に叩きつけられた。
巨大ホイミスライムが目にはいる。
どうやらフロアにたどり着いたらしい。

マルチェロとクロノスが大量の何かに追い回されていた。
よく見ると大量の鍵が群れをなしていることが分かる。
何が起きているのやら。
とりあえずあれはほとんど幻らしい。
本物を探すには一苦労だ。
立ち止まれない中ではできそうにない。
それを見たユウコは全力で怒鳴った。
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