黒を纏う聖堂騎士団員

□2.マルチェロのいない日
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ククールがそうは言いますが、やはりクロノスも不思議がります。
なぜマルチェロがドニにいくのか。
お腹を押さえるククールを引きずりながらクロノスは団長の部屋にいました。
聞きたいことはちゃんと聞いておこう。

しかし、マルチェロがいない団長の部屋は誘惑が多すぎました。
今まで見たことない本や報告書が目に入ります。
二人してちゃっかりさんです。
読み始めました。

「マルチェロの資金調達、食料調達うますぎだろ!!
手始めにマイエラ修道院で兵を育て世界征服行けるぞ!!」

そうやればよかったのに、とは言いません。
ゲームが成り立たなくなりますから。
しかしもし世界征服となると、リーザス村から攻めることになりますね。

リーザス村を落とせば港までついてくる!!
海軍製作可能!!

あぁ、マルチェロがヤバい人化している。
元々ヤバい人でしたけど、さらにヤバい人になりつつある。
自重が必要かな。仕方ないな、自重しよう。

「あ、この錬金楽しそうだな・・・・・・」

「何々?激辛チーズ・・・誰に食わせるんだよ」

「私の部屋で何をしているのかな、お二人さん。
暇なら仕事をしろ!!資金調達しろ!!」

二人はマルチェロより先に散らかした部屋を見ました。
読んだら戻さない二人は、踏み場のない部屋に変えてしまいました。
そして青になりすぎた顔をマルチェロに向けました。
苦笑いで出迎えます。

「えっと、どちらまで・・・・・・」

「ドニの町に行った。
それよりこの部屋はなんだ。」

「つい?読んだ?うん。」

「・・・・・・
ククールはさっさと地下にいけ!!」

「はい!?」

と、言いながらもククールは風のごとく消えていきました。
やはり何かしでかしたようです。
頭を下げるのはマルチェロの役目なんですがね。
少し考えろ、ククール。

「マルチェロ、まさか親御さんに頭を下げるはめになったか?ククールのせいで」

「なぜ私があんな馬鹿のために頭を下げねばならんのだ!!
私が院長なら二人まとめて始末してやる!!」

「そこ、始末じゃなくて追い出してくれませんかね」

『二人』に含まれたクロノスは頭を掻きながら、ゆっくり部屋をあとにしました。
マルチェロがいないただそれだけでマイエラ修道院は荒れるようです。
マルチェロがいない日なんてダメですね。
いや、二人が何やからしてるんだって話ですが。
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