The uncertainty of the future

□07.雪に包まれる学校
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包帯を外す南条がいた。
呆れるしかない光景に柊沢の殺気は抜けていた。
夏美先生の苦労がわかる気がした。
この保健の先生不器用なことは柊沢も知っている。ただ善意を一言で片付けられたら不愉快だ。
夏美先生の代わりに南条の善意を一言で片付けてやろうと、柊沢は決めた。

「柊沢、何があった」
「あんたに指示をされる覚えはねぇ。
・・・・・・緊急時だから許す。
実はだな」

殺気を出していた柊沢自身の話はかなり切り捨てて話をした。
今の学校で起きている事態一通りである。
南条は信じられんと言った顔と、信じるに値すると言った顔をミックスさせる。
混乱と言うやつだ。

「ペルソナがある以上信じるしかないか。
しかし仲間はいるのか?」
「鳴海とゆきの、綾瀬は現場にいたんだ。
絶対やるな。あと、仲間にできそうなのは、あんたとエリーだな」
「当然俺はやる。
お前たちだけでは不安だからな。
特に柊沢が」
「・・・・・・あ〜否定しないでおくさ。
今否定出来る気分じゃねぇ・・・・・・」

自分が冷静ではなく感情的で鳴海に止められるような人では、否定しようがない。
頭を掻きながらため息をついた。
そんな時、二人の頭に一つの不安要素が出てきた。
この凍り付いた学校内だけで食料が足りるのか。
なぜならよく食べるやつが学校にいるではないか。
二人は顔色を変えて食堂に向かい、走り出した。

予想は的中。
やけになったトロが食料潰しに走っている。
上杉やゆきの、綾瀬が必死に止めている。
綾瀬が止めているか、はよくわからないが。
どうも綾瀬がトロをふったのが原因らしい。
ふり方が問題だったのだろう。

「綾瀬、言葉がストレート過ぎるんだよ。」

「だってマジじゃん。
アヤセ悪くないし。」

「とりあえずこのままじゃ飢え死にじゃねえか。
食うな!!」

言葉にとやかく言う気はないが、問題の始末は必要だろう。
脱出より飢え死が先なんて悲しすぎる現実ではないか。
あんまりの光景にさすがの柊沢も動揺している。

「俺のシェフにたらふく食わせてやる。
だから今は食うな!!」

「な、南条が言うなんて珍しいな。
うまい飯のために腹空かせるっていいな。」

そう言って素直にYESとなれば苦労はしない。
トロは叫び始めた。嫌な予感しかしない。
ペルソナらしき力の暴走か。
お腹から謎の物が出てくる。グロテスクだ。
あわてふためくわけでもなく、柊沢と綾瀬は全力で引いた。

「ペルソナ・・・ってあんなになるのか。
き、キモいな。」

「ないわ。パス1」

引いた二人がいるなか、上杉のペルソナが覚醒を見せる。
言われてみれば上杉もペルソナ様遊びの経験者ではないか。
ただペルソナ攻撃によりトロが無事だかは保証しないが。
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