The uncertainty of the future

□02.文化祭の当日
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パンッという大きな音に教頭が反応する。
ハンニャ呼ばわりされたそれは、大きな音を確かめるべく教室を後にした。
音の正体はわからないが、人工的であることに柊沢は気づいていた。
次に教室に入ってきたのは、南条やマーク達であった。
メイド服姿を見て柊沢は、今日が文化祭だったと思い出す。喧嘩沙汰にならなければ彼女も執事姿だった。

「なんで書き取りなんかやらされてるんだよ」

「喧嘩。」

柊沢は帰宅中にカツアゲをしている不良共を見つけ、近場にあったパイプで殴ったらしい。
それがきっかけで大乱闘になり警察まで来るはめになった、と話が盛られている。
実際、警察は出ていない。

「あんたがいないと執事の目玉がないんだよ」

「ハンニャに言え。柊沢に書き取りはやらせたくありませんってよ。
俺は悪くない」

「それはないな。暴力で解決以外に頭はなかったのか。」

「南条、話が通じないやつはどうする?
話を続けるか。バカは死んでも治らん」

確かにバカは死んでも治らん。
メイド服の南条は納得して文句をやめた。
言ったどころでなにも変わらない。
それより柊沢は大きな音について尋ねた。

「あ、あぁ・・・あれは教頭を教室から出すための罠さ。」

「はぁ・・・・・・あんたら、俺に文句言える立場か。」

柊沢が少し笑った気がした南条は、無意識に喜びを胸に抱いていた。
それが南条が気づいているか否かは別問題である。



「こんな文化祭も悪くないな」
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