The uncertainty of the future

□01.文化祭の準備
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上杉ことブラウンは、ゆきのと歩く柊沢を見つけ飛びはねた。
ブラウンは柊沢が嫌いなのだ。理由はもちろんある。
柊沢が喧嘩っ子だからではなく、出身中学が同じなのだ。
簡単に言うと、学校内でブラウンの由来を知る人物ということになる。

「上杉、あんた何してるんだ?
文化祭の準備は?」

「南条が倒れたって聞いたから見舞いだ。オレ様サイコーにいいやつだから」

南条が脚立から落ちたが正確なのだが、なんだか危ない方向に噂が出来つつある。
柊沢としてはどうでもよかったらしく、ブラウンを見てもいない。
遠くにいる綾瀬たちが気になるらしい。
何故なら南条が落ちた脚立で、綾瀬が物を取ろうとしている。
見るからに落ちそうだ。
ブラウンが柊沢の目線の先に気付き、綾瀬を手伝いに向かう。
南条の見舞いは大切でもないらしい。

「あんた、口に出しな。言わなきゃわかんない」

「・・・さぁ。」

「はぁ、それより早く行くぞ。それにしてもなんで2年全体でメイド喫茶なんだ・・・・・・」

しかもメイド服を着るのは男の役目。
目が腐りそうだが女が着るより安全だ、ということになった。
ブラウンが企画をたて、南条が女にメイド服は危ないと言ってこうなった。
南条はメイド喫茶自体反対だったに違いない。

「柊沢は執事やるの?似合いそうじゃん」

「・・・・・・服、あれば。ないのに着れるか」

そんなとき、後ろから来た人物が柊沢の背中に衝突。
柊沢はそいつを掴み放り投げた。
護身用に習ったらしいが、使い道が間違っている。
飛んでいくニット帽。そして悲鳴。

「いってててて〜!!
な、なにすんだよ!?
ぶつかったことには謝るから投げるな!!」

「あぁ〜マーク危ないって言ったよ、俺。」

ピアスの少年は大量なプリントを抱えながら、マークに呆れた。
鳴海のピアスはあの手の趣味の人間にかなり人気で、マークとできていると言われているがそれは絶対ない。
入院中の園村がいるからだ。

「あんた投げるな!!
護身術の意味わかってるのかい?」

「・・・・・・は?こいつが悪い」

柊沢が後ろに立つなと言うとなんだか恐ろしい。
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