人々の女神
□02.無責任な台詞
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アテナが旅についてくるのは構わないが、知らないことがやけに多い。
ただの記憶のない子というわけにはいかないようだが。
「わたしはゼシカよ。よろしく」
「ゼシカ・・・どこへいくの?」
「えーと、願いの丘で場所よ。お願いをかねえてくれるらしいの」
アテナは首をかしげた。
願い・・・アテナには縁がない単語らしい。
オレにも願いはあるんだかな。
「願い?」
「そう、アスカンタの王を叩きのめしに」
「アスカンタはあんな王で大丈夫なのか?」
「兄貴はなんか願いあるでげすか」
「僕?あるよ。ドルマゲスを今すぐ倒してほしい」
「「「・・・」」」
それ、旅の理由なんだよな。
だけどなんかこのモヤモヤは・・・
「ドルマゲス・・・」
「わたしの大切な人を・・・」
「・・・なんで?」
「え?」
「なんで悲しむの?亡くなったら無いものに」
ゼシカはアテナの台詞に腹を立てた。
仕方がないことではある。
「ふざけないで!無くしたこともないやつが勝手なことを!!」
「はいはい、そう怒りなさんな。アテナは悪気があるわけじゃあねぇ・・・」
ヤンガス、後ろから「かも」って台詞が見えた。
厄介なお荷物が増えたよ、マジで。