人々の女神
□01.捨て猫
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「ねぇ、名前、言える?」
魔法使いーゼシカはそう訊ねた。
少女は起き上がると首をかしげながら呟いた。
「アテ・・・ナ・・・」
「そう、アテナっていうの。あなたはどこから来たの?家はこの辺?」
ゼシカの質問にアテナは質問で返した。
「家?」
ククール、オレは頭を掻くしかなかった。
旅の途中、道端に倒れていた少女を見つけたのはククールだからだ。
寄り道をして宿屋を探して寝かせたのだ。
どうやらお荷物を拾ったらしい。
「まさか・・・家がわからないの?」
「わからない?・・・わからないの。」
「あー、エイト、どうにかして・・・」
ゼシカは諦め、我々のリーダーを出した。
呼ばれたエイトは何か驚いた反応をしていた。
何かに気づいたのか!?
「この子、装備がかなり良い」
「おい、エイトそこか!!」
我々リーダーはちょっと頼りなく見える。
まあ戦闘以外頼りないが。
「捨てる訳にはいかないし。修導院に送る?」
「待て!オレらが連れていったらどうなるかわからない・・・」
「なら、連れてくでげすか」
それは・・・嫌だが。
エイトは首をかしげながら呟いた。
「馬車番やらせればいいのに。」
「だから、エイト、それを早く言え」
肝心なことこそ、大きな声で頼むよ、エイト