人々の女神

□01.捨て猫
1ページ/1ページ

「ねぇ、名前、言える?」

魔法使いーゼシカはそう訊ねた。
少女は起き上がると首をかしげながら呟いた。

「アテ・・・ナ・・・」

「そう、アテナっていうの。あなたはどこから来たの?家はこの辺?」

ゼシカの質問にアテナは質問で返した。

「家?」

ククール、オレは頭を掻くしかなかった。
旅の途中、道端に倒れていた少女を見つけたのはククールだからだ。
寄り道をして宿屋を探して寝かせたのだ。
どうやらお荷物を拾ったらしい。

「まさか・・・家がわからないの?」

「わからない?・・・わからないの。」

「あー、エイト、どうにかして・・・」

ゼシカは諦め、我々のリーダーを出した。
呼ばれたエイトは何か驚いた反応をしていた。
何かに気づいたのか!?

「この子、装備がかなり良い」

「おい、エイトそこか!!」

我々リーダーはちょっと頼りなく見える。
まあ戦闘以外頼りないが。

「捨てる訳にはいかないし。修導院に送る?」

「待て!オレらが連れていったらどうなるかわからない・・・」

「なら、連れてくでげすか」

それは・・・嫌だが。
エイトは首をかしげながら呟いた。

「馬車番やらせればいいのに。」

「だから、エイト、それを早く言え」

肝心なことこそ、大きな声で頼むよ、エイト
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ