ロリポップメラゾーマ

□15.空気を読むのは楽じゃない
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「ユウコ、このまま二人で愛の逃避行といこうか」

「はいはい。守備範囲が広いのはわかったから」

ゼシカかよ。

マルチェロの雰囲気を見て、空気を読み家をあとにしたオレらは、グレン城に立ち寄っていた。
いく宛があるわけでもなく、暇を潰す形になる。
酒場にでもいけばいいのだろう。
ただ今の時間は柄がわるい奴らばかりでユウコが心配だな、って訳だ。

「二人っきりは恥ずかしいってわけか。」

「どこかで聞いた台詞だな〜
あ、DQH2か。なるほど。納得したから酒場にいこう」

自己完結させられ、酒場にいこうとするユウ。
危ないからマジでやめてくれ。オレの職業は僧侶なんだ。
ユウコは笑いながら酒場に入る。
オレは笑えないんだが。

「ククールはユーグレナサワーね。
私、アルコール嫌いなのに飲んでいいって言ってあげるんだから優しいでしょ?
私はステーキ食べたい!!」

「太るぞ、夜食」

「・・・・・・」

地雷を踏んだらしい。
それよりユーグレナサワーってなんだろう。
アルコールらしいがユーグレナって聞いたことがない。
食べれるらしいから毒ではないんだろう。
ユウコが頼むのだからあんまりあてにしない方が良さそうだ。

「ククール、払って」

「二代目兄貴と呼ぶぞ」

性格わるいな。口には出さないけど。多分オレの方が悪いと言われるだろうから。
怖い怖い。ユウコってクロノスに性格が似ている気がするんだよな。本当に怖い。
結婚するならエイトみたいな奴じゃないと釣り合わないだろう。

勝手に席取りを始めるので、オレは支払いをするはめに。
兄貴にばれたら困るがまあいいだろう。そうしておいた。

「ステーキを食べるのはいいが喉に詰まらせるなよ。
オレがあーんしてやろうか?」

「ククール、この肉かたいね」

スルーした上に我が儘ですか。
ちょっと怒りたくなるが、とりあえずおさえる。
そのためにユーグレナサワーを飲んでみた。
不思議な味がする。
不思議というよりピーナッツに近いような気がする。味がしないと言われればしない気もする。
ユーグレナってヨーグルトに似ているものじゃないのか。
まさか、ユウコにいじめられているわけじゃあるまい。
マルチェロじゃあるまいし。

「うわ、飲んだ。お、おいしい?」

「うわってなんだよ。
おいしいかどうかは・・・・・・どうだろう。」

「・・・・・・はっきりしてよ。
毒味なんだから!!」

はっきり毒味っていうな。まずそこから始まる。
毒味ということはユウコは味を知らないらしい。もっともアルコール嫌いならサワーなんて飲まないだろう。
15歳には確かにアルコールは早い気がする。でも飲めなくはないだろう。

「飲んでみるか?」

「血液検査したら肝臓の数値が異常値になるから嫌。
未成年者が飲むと特有の出方があるんだから。
それにユーグレナはちょっと・・・・・・」

一番の理由はユーグレナじゃないか。
これは問い詰めるしかない。
ヤバいものを飲ませられている訳じゃないだろうな。

「ユーグレナってなんなんだ?」

「ユーグレナはミドリムシ属の学名」
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