ロリポップメラゾーマ

□12.神眼を欺く者
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「捜査って柄じゃないんだがな」

カジノなんてククールぐらいがいけばいいと感じている。
私にはなんら価値のないものに見える。
幸運のおまもりぐらいはほしいと思うが。

マルチェロがバニーガールに話を聞いている。妙な光景だ。
今まで私はそんな光景を想像することはなかった。
まさかマルチェロが、カジノでバニーガールと話すなどとね。
そして自分がその光景に不愉快と感じているなど、さらに想像していなかったが。
女の嫉妬は醜い。しかも他人に向けるものはなおさらだ。

「この銀髪さんなら確か少し前に話題になりましたよ?
はじめはナンパしてた美青年ぐらいでしたけど。」

「はぁ・・・・・・ナンパか。
で、はじめはというのは?」

「ルーレットの台でポーカーをしていたの。
ものすごい戦いだったからいろんな人が見に来ていたはずよ。」

ポーカー。ククールらしい話だ。
そんなポーカーで何か起きるかが不思議ではあるがな。
しかし、相手の心理を探るポーカーなら呪いをするタイミングぐらいはあるだろうな。
呪いをポーカーでする方法か。思い当たらない。

「クロノス行くぞ」

現場検証というやつだ。
スロット、ルーレットの台。
預け屋らしいものがあり、そこに飾られた巨大ホイミスライムが可愛らしい。
ゼシカが楽しんで見そうなホイミスライムだ。
私としてはホイミスライムよりキラーパンサー派なんだが。
マルチェロはルーレットの台を叩いたり覗いたりしている。
不審者だ。明らかにマルチェロが不審者に見える。
何かまずいことをこのカジノが隠しているわけではなさそうだが。

「マルチェロ、もういいだろ。
ルーレットの台ごときに痕跡を残す馬鹿はしない。
ポーカーをしていた相手がいれば別だが・・・・・・」

「それ、オレのこと?」

振り返ると見知らぬ人物が立っていた。
気配をさせずに近づいてきたらしい。
マルチェロの警戒心を膨らませただけ。
男はフードをしているにも関わらず、帽子をかぶっている。
そんなに顔を見せたくないのか。

「ククールって野郎とポーカーならした。
話をしてやろうか?」

「貴様があの顔だけ取り柄のクズを呪った野郎か?」

「・・・・・・なんのことか知らねぇな」

「知らない?
言うが顔を見せない時点で犯人と言いたいのではないか?
確かにカジノに出入りしている輩など俗ばかりだが、
神眼を欺けるとしたら、人ぐらいだろうからな。」
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