ロリポップメラゾーマ

□09.暴走タコメット
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あまりの痛さにオレは目を覚ました。
腹にくる激痛に布団で悶える。
痛みのある部分を触ると血が付着している。
訳がわからないまま、ベホマをかけた。僧侶でよかった。

と、思えば何故かグーが飛んできた。
完全回復も意味をなさないまま、オレは床に這いつくばる。
兄貴のパンチだ。

「貴様、鈍感とは思ったがとうとう神経すら捨てたか」

脳が揺れてハッキリしない視界に兄貴をとらえる。
兄貴の手にする武器が血に濡れている。
まさか、マルチェロがオレを刺したのか。
恨みがあるのはわかるし、恨みをやめる気がないのはわかるが、刺すか普通・・・・・・

オレはとりあえず起き上がる。
クロノスやユウコたちはいない。
兄貴が追い出したのだろうか。

「貴様、何をみた」

「は?」

「うなされていたからだ。悪夢でも見ていたか。」

言われてみれば悪夢を見ていた。
確かエイトに追いかけられていたんだ。
そして扉を見つけたんだ。悪夢から脱出する扉を。
あくまで夢だけどさ。

「で、起こすために刺すなよ・・・・・・」

「脳を揺らす目的で殴っても起きぬからだ。
まさか呪いにかけられた訳ではあるまいな、軟弱者が」

刺して起こさなければならないレベルの悪夢ってなんなんだよ。
にしても兄貴はオレのために努力してくれていたのか。
ありがたいな、形はどうであれ。

「あの子どもとクロノスならジュレットの町にすでにいるはずだ。
行くぞ」

でもあの悪夢、また見るような気がする。

オレは兄貴のあとをついていく。
足が痛い。筋肉痛だ。
あり得ない。エイトとの旅で鍛えた足が筋肉痛なんてあり得ない。
何故こんな疲れているんだ。
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