ロリポップメラゾーマ

□06.お家が一番!!
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ユウコが黙るからすごいことなんだろう。
実感は全くないんだ。
マルチェロならやりかねないからな。

「じゅ・・・順番待ち多数のトゥーンタウン地区Mサイズですよ!!
賄賂!?凄い・・・・・・」

「偶然空いていたから買ったのだが。
急に用意したため、寝床しかないがな。」

「兄貴こぇ〜
でさ、オレ遊んでくる」

遊んでくる?
ククールの顔を見るとなんだか楽しそうだ。
その顔からどこにいくかわかる。
マルチェロが許す許さないはともかく。

「ラッカランに行く。
兄貴心配すんな。ちゃんと自分の金でやるからな。」

ユウコが微かに反発した顔を見せた。
カジノに対する不安だろうか。
金を使う遊びは子供でも危ないのがわかる。
嫌な顔をされても仕方がない。

「勝手にしろ。
私は最低限の武器調達をする。」

武器調達か。忘れていた。
マルチェロが物理系で私が魔法系。
しかし、ユウコには何を用意するつもりだろうか。
扇かツメか。どちらにしろ物理系魔法系も決まっていない。
ただ本人を見る限り魔法系だと思う。

後衛でドルモーアをするほうが似合いそうだ。
満面の笑みで。

「じゃあクロちゃん。
一緒に寝ようよ。私、眠い。」

「そうだな。そうしようか。
ちゃんと戸締まりしないとな。」

なんだか姉や母になった気がした。
ユウコに引っ張られながら家に入る。
不安だな、ククールが。

この世界は人間が私達以外にはいないようだ。
ドワーフ、エルフ、オーガ、ウェディ、プクリポしかいない。
そしてその種族の仲が曖昧だ。
問題がなければよいが。

「あれ?マルチェロさんは寝床しかないって言いましたよね?」

「だな。」

「見てくださいよ!!風呂場がある!!
しかも沸いている。」

マルチェロの仕業だ。
女性陣の我々には湯船につからせるつもりらしい。
最近あれはユウコの心配をしている。
子供だからだろう。
ククールも心配するぐらいだ。

異世界に来て、負担が彼女にはあるはずだ。
私はマルチェロがいて、ククールに出会い、不安はないわけではないが少ない。
しかし、彼女は一人だ。
不安は人一倍あるだろう。

「じゃあお言葉に甘えて入りますか、湯船に。」

「・・・・・・ふふ
そうしようか。一人で入らなくていいのかな?」

「うん。一緒がいいな〜」

16歳か。嘘みたいに子供らしいな。
演技か。
まあその方が構ってもらえるからな、世の中では。
でもさ。

「無理しなくていいからな。
子供らしくなんて思わないから」

「あ、いや、その・・・・・・
私、素が怖いんですって。言葉使い荒いんで。
それより風呂入りましょ!!」

素が怖い?マルチェロよりもかな。
基準がマルチェロなのはまずいかな。
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