ロリポップメラゾーマ

□03.ククール一行、金が欲しい。
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「・・・というわけでラギ雪原でこいつはぶっ倒れてました。」

「ラギ雪原って・・・何もないし、なぜそんなところに。」

「凍死しなかったとはな。不幸なやつめ。
この少女が迷子にならなかったら死んでいたな。」

みんな酷くねぇ?
ユウが迷子になったのは突っ込まないのな。
仕方ないから泣くぜ。心はな。

それにしても何でまた二人がこの世界に?
聞くより先にユウが聞いてしまった。

「あれ?二人してスライムピアスしてる。
・・・ペアルック?」

あ、ホントだ。
オレ、兄貴、クロノスとお揃いじゃんか。
嬉しいな。嬉しいな。
あ、兄貴が不機嫌になった。

「それが気づいたらあったんだ。
ククールもつけているが、君は?」

「クロノス姉さん、ユウでいいよ?
私はね、なかったの。
でもいいや。ピアスしたくないし。」

「そう。クロノス姉さん・・・・・・
呼び捨てでいいから。年齢とか気にしないで」

「わかった!!クロちゃん!!」

クロちゃん・・・・・・!?
初対面に容赦ないな。
普通そんな馴れ馴れしく呼ばないだろうに。
女子パワーってやつか。

「ククール、貴様は本当にこの世界に来る前のことを覚えていないんだな?」

「マジだよ、兄貴。
疑うならオレじゃなくて・・・あ、なすりつける相手いないや」

「・・・・・・となると私達だけか。」

「仕方がない。説明してやる」

兄貴、悪かったよ!!
そんなに嫌なら説明するな。
でもユウは話に追い付けるかな。

「実は夜中にマルチェロが訪ねにきたんだ。」

夜中に・・・・・・何をしに来た。

「クロノスのペンダントを拾ったんで届けに来ただけだ。」

「玄関に出たら・・・・・・
私達の足元に魔法陣が・・・・・・」

魔法陣?
異世界に行かせてしまうみたいなありがち魔法陣か?

「へぇ?どんな魔法陣ですか?」

「・・・・・・絶対の死を招く魔法陣だ。」

ほんの少し前、その魔法陣を使う死の神を倒したんだ。
ザオリクも世界樹の葉も効かない死を招く魔法陣・・・・・・
その神をクロノスは先代から引き継ぎ、体に封印していたんだ。

そんな魔法陣がまた使われたって言うのかよ!!
でも待てよ・・・・・・なら・・・・・・

「私達はすでに死んでいるってことですか?」

「・・・・・・そう考えたくないな。」

「ちなみにその魔法陣は一瞬で効くんですか?」

「え?・・・・・・ん・・・
命中率は100だな。その魔法陣の上では死への恐怖で動けない。
使用者が魔力を最大まで使うと死ぬらしい。」

「うわ・・・きも。
ずっと拷問まがいな真似をすることも可能なんですね。
・・・・・・?でも死って怖いんですか?」

ユウはなんてこと聞いているんだ!!
普通怖いだろ。
怖すぎて動けないぐらいに。
あぁほら、兄貴が疑いの眼差しで・・・・・・

「哲学や心理学の話ですが、
人は死と再生を繰り返した回数で死への恐怖に差が出るらしいですよ?
出産、親戚の死、結婚、離婚・・・・・・
その魔法陣が死への恐怖を増幅させるんじゃなくて、
魔法陣を見て死を意識することが引き金なのでは?」

「・・・・・・あのさ、マジの16歳?
それと意味ある?その話は?」

「いいえ。言いたかっただけです!!」

「・・・ちっ。なるほどな。
あの魔法陣は『死』という意識からか。
考えても仕方があるまい。
この世界で生きる術を探し、元凶を叩くまでだ!!」

兄貴らしくなってきたぜ。
さっきは殺気が酷かったからな。
あれか?クロノスが心配すぎて何もかも敵に見えていたか?危ないな、マジ。
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