ロリポップメラゾーマ

□01.現実見たら、かなり危ない。
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「メラも積もれば〜メラゾーマ!!
メギドメギドラメギドラオン!!」

このガキんちょ娘、大丈夫か!?
雪原を過ぎたらかなりの上機嫌だな。
岩だらけの地形に慣れずに転けながら、上機嫌ってキモいと感じるんだが。

ユウコは長い髪をなびかせ、大声で謎すぎる歌を歌う。
危ないやつはこんなやつだ。

「あ〜、名前聞いてないな〜
シラガのあなたの名前は〜?」

「白髪だ!!
絶世の美形ククール様だ、ガキんちょ娘!!」

「・・・性格はクズみたいね。
ガキんちょ娘ですって!?16歳だっての。
ピチピチの高校生よ!!」

コーコーセー?
よくわからないが、12歳にしか見えない。
16歳なんて嘘みたいではないか。
特に中身が12歳だ。

いや、オレなんか頭の色から実年齢よりふけてみえるのかな。
かなり悲しいが、兄貴よりふけてみえるなんて有り得ないよな。
オレの愛しい兄貴、マルチェロより。

「日本人は童顔かしら。
子供らしく見えるなんて嫌だわ。
大人扱いされたいわ。
でも我が儘聞いてほしいから子供もアリね」

すでに我が儘だよ・・・・・・
我が儘言いたい以前に我が儘言っているな。
通訳するとチヤホヤしろと。

オレは呆れて歩き出した。
グレン城下町とやらに着いたらおさらばしてやる。
16歳なら大丈夫だろ、一人で。
オレは元の世界に帰るんだ。

「・・・・・・あの、ククールさん。
反対方向よ。」

「先に言おうぜ!?」

「まあまあ。
とりあえずククールさんは何しにグレン城下町に行くの?」

何しに?

理由ならある。
元の世界に帰る方法を探すために、情報集めをしたいんだ。
城下町と言うぐらいだ。
広い町に違いない。情報も集まるはずだ。

だが、今、それを言うのか。
異世界から帰りたいと?
障害者、誇大妄想扱いで終わるだけだな。

「一人旅だ。いいだろ、そんなのも」

「嘘。
旅ならそんな身軽なわけない。
それに雪原で倒れるミスするかな?
で、何しに?」

このガキ、バカに見えて頭いいな。
16歳ってのは事実らしい。
真実を言うしかないな。
嘘、思い付かないし。

「異世界から来たって言ったら信じるか?」

「うん。
なら雪原で倒れるミスは説明つく。
・・・・・・それに私もそうだから」

「はぁ!?」
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